過去と現実と未来と

□第2話
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はあー、やっと1日が終わった。明日からはサボるか寝るかしよう。勉強なんて必要ないし。

そんなことを思いながら目的もなく歩いていると風が吹き髪を揺らした。

あー。日差しも強くなくて風も程々あるし昼寝するには絶好の天気だな。やっぱりサボって昼寝すればよかったか。

「海夜ちゃん(……一瞬だけ見えたピアス。あれは……)」

この声は……。

「なんでしょうか?」

くるりと後ろを向きにこっと微笑んでそう答えれば、やはり声をかけてきたのは鳴海だった。

「海夜ちゃんの星階級が決まったよ。幹部生(スペシャル)だって。はい、バッチ」

……幹部生。

「理由を聞いてもよろしいでしょうか?」

「うーん……アリスのレアさと威力じゃないかな? コントロールもできてるし申し分ないと思うよ。まだ10歳なのにすごいよ」

10歳か……。

「海夜ちゃん?」

「あっ……すみません。わざわざありがとうございました。あの……クラスのほうは決まったんですか?」

「クラスのことまで知ってるんだね」

あっ、つい口が滑った。

「クラスの子に聞かれたんですよ。そのときに教えてもらいました」

「そうなんだ。海夜ちゃんは……危力系だよ」

そう言ったとき一瞬だけ彼が悲しそうに見つめてくるのを、私は見逃さなかった。

「優しすぎるよ」

「ん? 何か言ったかい?」

「いえ、何も。では私はこれで失礼します」

あんたに教師は向いてないよ、杏樹。

そう思いながら私はそこを離れた。
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