つながる想い
□第7話
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今日は確か、1軍昇格をかけた練習試合。沢村が登板するんだっけ。誰が1軍に昇格するか気になるし、それにあの人出るかもしれないし、見に行くか。
少し遅れて見に行くと、クリス先輩が試合に出ていた。
おいおい、本当に出てたのか。
「本当にすごいよ、クリス先輩」
「空気があの人の影響で一気に変わった。1年のブランクが嘘みたいだな」
いつの間にか隣に優也がいた。
「トレーニング、いいの?」
「クリス先輩が出てるって言うんでな。お前も来てると思ったよ」
「本当に出てるとは思わなかったけど。まあ誰が1軍に上がるのか見たかったし」
候補は丁度2人だな。
「お前の予想は?」
「キャッチャー、沢村栄純。セカンド、小湊春市かな。投手層は毎年の課題だし、弟君のほうはプレーが亮さんそっくりだからね。代打で有効に使える」
「また投手増えんのかよ」
うわっ、すっごい嫌そうな顔してる。
「あの子はまだまだだよ。当分の間は賭けだろうね。いろいろと不安定だし」
「随分と辛口だな。そんなにあいつに期待してんのか?」
期待?
「まさか。私はあの人、大っ嫌いだから」
仲良くなんてできないね。