真と偽り

□第7話
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 隊主室。そこには今、俺と松本の2人しかいない。

 定時を過ぎた今、残っているのは俺たちぐらいだろう。

「どうです? 隊長。いいデータは集められそうですか?」

「まあまあだな」

 ……やっぱり月宮のデータが少なすぎる。斬魄刀を抜いたことは一度もねえし。

「あの……隊長。零の始解、一度も見たことがないような気がするのですが……」

「ああ、俺もだ」

 あいつがここに来て2年。未だに始解を見たことがない。

「隊長もですか!?」

 そんなに驚くなよ。

「ああ。だがあいつの鬼道も斬術も隊長クラスだ。霊圧の探知能力やコントロールは尸魂界一だろうな」

 隊長の席に空きがあったら、あいつは絶対隊長になれる。あいつはそれほどの器だ。

「零は、どうして死神になったんでしょうね」

 最初はきっと、誰かを守りたかったからだろ。でもたぶん今は違う。今のお前からは、そんな意志は感じられねえよ。

「……さあな」

 なあ月宮。お前は今、なんのために戦ってんだ?

「松本、明日の夜は空けとけよ」

「はい」

 直接本人に聞くか。
 

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