真と偽り
□第1話
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雨が頬を撫でる。
誰かが泣いているの?
それとも私の代わりに泣いてくれてるの?
もう約100年の時が流れたよ。
あなたを失ったのに、どうして私はまだここにいるんだろう?
一番大切だった、守りたいと思ったあなたを失った。
そんな私が、他の人を守れるわけないのにね。
どれだけの時が流れたって、あなたのいないこの世界は慣れない。
いつもいつも面影を無意識の内に探してしまう。
戦う理由も、大切な人も、もう私にはない。
涙は枯れ、笑顔は消えた。
そんな私に残されたもの。
それは……偽り。
さあ、偽りと共に生きようか。