悪鬼滅殺
□第1話
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鬼殺隊。その数およそ数百名。政府から正式に認められていない組織。だが古より存在していて、今宵も鬼を狩る。
それは、私も同じ。
「お前を喰らって、力を得る」
目の前にいる鬼がそう言いながら戦闘態勢に入る。
「もう喰らわなくていいんだよ」
そう言いながら刀を鞘へ。
「いつの……間に……」
「どうか安らかに」
そう言えば鬼は静かに消えていった。
「ふうー」
今回の鬼は強くなかったな。
攫われていた女性に駆け寄り首にそっと手を当てる。
脈がある。外傷もない。気絶しているだけか。
彼女をそっと抱きかかえ、町へと足を進めた。
家族の元に彼女を預け、そのまま町を後にした。
「皐月、皐月」
鴉がそう呼びながら近づいてくる。
「今度の仕事はどこ?」
「本部へ急げ。柱合会議」
あっ……。
「忘れてた……」
私は急いで本部へ向かった。