密書
□続。薬を盛る話。
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ここ数日潮江文次郎先輩を観察していたが、なんて言うか、その、男らしくてかっこよくて‥‥‥‥いやいや、あの人は今私の敵だ。
今は、今はこの気持ちを認めることはできない。
「さて、そろそろ眠りにつこうかな」
そう言い私は蝋燭の灯りを消した。
晴れてよかった。
そんなこと思ったのは久しぶりだ
今は課題の成功を祈る事しか考えてはいけない。
支度を済ませ待ち合わせの時間、正門前で待つ。
「悪い。ま、待たせたか?」
何故か真っ赤な潮江文次郎先輩。
つられて赤くなってしまう私。
胸の鼓動が先輩にまで聞こえそうで、「いえ、」とだけ返した。
何故か心臓が口から飛び出しそうなほど緊張していて、それ以上喋ったら本当に出てしまいそうだから、無言で先輩の袖口を引っ張り甘味屋さんへと歩いた。