薄桜鬼夢小説〜裏の少女〜

□第五章
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千鶴side


京くんと一緒に京の町を探索していた。
「やめてください!」
その時、女の人の悲鳴が聞こえたのでついそっちに走り出してしまった。
「おいっ、千鶴!」
京くんの怒鳴り声が聞こえたが、無視して女の人の前にたちはだかって浪士に向かって、将軍様に使えるあなた達浪士がそんな事をしていいのかと話しかけた。
そうすると、案の定
「ああ?」
「小僧、いってくれるじゃねぇか」
と言って刀を抜いてきた。
さすがに危ないと思い、小太刀に手をかけた。
けれども、そんな心配はいらなかった。なぜなら、目の前にその浪士が倒れてきたからだ。
「っつ!?」
後ろから京くんが弓を持って歩いてきた。
「ああ、やっぱり血が吹き出ちゃうか」
と笑いながら言う京くんは狂気じみていてゾッとした。
「これ、京くんが?」
「そうだよ」
「なんでっ!?」
「そりゃ、千鶴が危なかったからじゃないか?」
「でもっ」
「殺らなきゃこっちが殺られるんだよ」
そう言う京くんは無表情だった。
「千鶴、行くよ」
と言って私の手をひいて京くんは歩きだした。

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