桜の海

□紅の薔薇
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雨の中、黒い傘をさし鼻歌を奏で歩く。

「お前だな。漆黒の姫ってのは」

振り向くと何人かの男がいて囲まれる。

この世界で生きるためにいろいろしてる。

裏切り、スパイ、ハッカー
そして暗殺。

いつの間にやらついたあだ名?通り名が漆黒の姫。

最近はそのせいで、マフィア達が私に仕事の依頼がくるの。
やっぱり報酬がいいの。

「おい!聞いてるのか!!」

別に気を抜いてた訳でもないの。
ただ雨の音にのまれてただけ。

「いい加減にしろ、漆黒の姫でもなくても殺すぞ」

ああ、もう面倒ね。
当たりよ、私は漆黒の姫。

一人が銃を向けて撃つので反射で、伏せた。
そして銃を手に持つ撃つ。

ほら、命なんてすぐになくなる。

「ヨイショ...次は誰?それともこの刀で、切られたい?」

傘は仕込み刀。
黒い刀を手に持ち相手に切っ先を向ける。

「かまわねぇ!やれ」

銃声が響き、身を翻し建物の間に入り、銃をかまえる。

まったく...これを教えてくれたのはあの人だよ。
適うひとなんている訳ないのにね。

気づけば血まみれの中立っているのは私1人。
刀と黒い服には返り血。

黒に赤は目立たない。
闇にも溶け込む。

だから黒は好きなの。

「見つけたよ、どこ行ってたの?」

バッと上を向くと建物の上から私を見下ろす明るい色をした髪の男。

クルリと向きを変えてパタパタと走りとりあえず逃げる。

「こーら、めっ」

「待った!」

そうしていると目の前には可愛らしい声の男と
周りからイケメンだと言われてる男が現れる。

私は横の脇道に入り、とりあえず大通りを目指す。

「止まりなさーい」

「君は包囲されてるよ!」

キラリと光る正体はメガネ。そしてなかなかがたいの良い男2人がこちらを見つめる。

上か...となると、引き返すに限るね。

「ほら。こっちに来たね」

突然前から楽しそうな声がしてとっさに後ろへと戻る。

「はい、お終い」

誰かに腕を引かれ胸のなかに閉じ込められる。

私はすねて見せると彼は黒の刀を奪う。

「あ!今日は日野君か〜、やっぱ一番最初に見つめるもんじゃあないね、逃げられる」

一番初めに見た男が走りよる。

日「そう?前回は立花君だっけ?」

「その前は俺ね〜、逃げられるって思ったの?」

楽しそうに話す彼に腕を引かれてまた抱きしめられた。

「あ!潤君ずるい。僕も混ぜて」

「菅ポンさ、めっはないと思うよ?」

「小野君の言う通りだね。近ちゃんはどう?」

「彼らしいね」

私は耐えられなくなり暴れる。

「逃げないから!離して潤君」

彼らはその言葉に笑った。
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