桜の海

□涙する理由(ワケ)
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コートのポケットで鳴る俺の携帯。
メールを開ければユキからだった。

「......はぁ!?」

「どうしたんです?」

隣にいる鳥海に聞かれ、適当な理由を言ってその場を離れた。



手には漫画の本を持ち青い空を見つめる。

離れた場所にある携帯の音が響き、私は立ち上がる。

チャラ、と彼とのお揃いのネックレスが胸元で揺れる。

『すぐ帰るから安心しろ!!』

「当たり前かな。あんなメールしたから......ごめん」

私は送信BOXを開けてみると、うずくまる。

『悲しい。会いたい』

俺の頭では、グルグルとその言葉だけが何度も何度も駆け巡る。
バイクを止めとりあえず走り家の扉を開ける。

「ユキ!?」

リビングに入ると、冷たいゆかに寝そべっている彼女の姿が見える。

慌てて抱き起こすと目を開けこっちを見つめて、ゆっくりと腕を持ち上げて首に抱きついてくる。

「大丈夫か? どうしたっ」

「頼が、郁が泣いてる。嫌だよ…」

俺は一瞬固まり、ふとユキの近くを見ると散らばっている10冊の本。

「これって俺がアニメの方で担当した漫画の? 見てたのか?」

俺は涙で溢れている瞳を優しく触れる。

「だって声してるって聞いてどんなものなのか知りたくて……そしたら感動して」

「お前って漫画で泣けるやつだったか?」

ユキはオレから距離をとるために離れて、指で本の表紙をゆっくりとなぞる。

「あなたが声をしてると思うと感情が入りすぎる」

その指で俺の手に触れる。

「だから、あなたが泣いてると思うと私は涙する。泣かないで、悲しまないで」

「ずっと笑っていて欲しい。だって私の大切で愛おしい人だから」

ユキは微笑み、俺を見上げる。

「それは俺もだ。いつも不安にさせてごめん」

「大丈夫だよ、って言ったら嘘になるかもしれないけど、あなたの夢のにもつになりたくないから」

でも……と言いながら下を向きながらギュッと俺の服の裾を握った。

「時々……ワガママになるかも」

「いっぱい言ってくれ。その方が俺はいい」

ユキを強く、けれど優しく抱きしめる。

END

ここまでありがとう☆(ゝω・)v
嶺那です(*´∇`*)オツカレサマー

恥ずかしい話
僕は妹に恋をするを知ったのは最近でBOOK・OFFで10冊一気に購入しました
そして感情を入れすぎてしまい、涙が次々と(´_`。)

実際の想ったことを主人公に言ってもらいました(笑)

(*´∇`)ノ ではでは〜
 

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