閉じた目蓋。暗い視界。外界と心を切り離して最後の覚悟を。そう思ったのに無心になれやしなかった。あれはいつのことだっただろうと、記憶を探る。よみがえるのはひとりの男の声しかない。

 「わたしに、求められて……わたしを、求めて……そうすることで、深く安心しないか承太郎」

 いつもと同じ行為に付き合われる中。急に背へかかる重み。より深く穿たれた感覚。落ちていた頭が上がって、首がのけ反るほど衝撃は強くて、口からは誤魔化しようのない喘ぎ声。なにに興奮したというのか、後ろから、乗り上げるように身を寄せてきた男はこの背中に上体を倒した体勢で腰を使ってくる。激しく、というよりも、重々しく。速くはない代わりに、一突き一突きが深い。速くはないから、奥へ進む時、中から出ていく時、それぞれの感触をしっかりと味わわされた。男の腰骨が尻に当たる度、声が出た。

 「生きるということには安心こそが重要だ」

 項に噛みつく男の熱い肉が、肉体のみならず心の壁を割り開いていく。ごりごりと、内部を満遍なく擦りながら奥の奥、最奥まで征服していく男の、常より荒い息遣いも振動となって、それがたまらなかった。侵されている……犯されている……それとも、あるいは、まさか、抱かれている……もう、分からなくなっていた。

 「わたしは安心したい」

 体の中に、自分の中に、男の熱が……一つの命が入っている。その感覚は、不思議だった。

 「それを守るためならば何だってするし、何だってできる。どんなことでもな」

 その時、男が浮かべた表情を自分は見たのだろうか。

 そこだけ、承太郎には思い出せない。



 自分自身を蔑むなど、したくはないけれど、最近は罵ってばかりだ。馬鹿なことをしている、と。

 「おふくろは呪縛から解放された……そうだったな?」
 「おそらくな。友が言っていた。管理していたはずのスタンドが消えたと」
 「そいつは僥倖だ」
 「ふむ?」

 回りくどいことをしているという、自覚はある。本来ならたった一言、シンプルに言えばいい。

 「久しぶりの学校、楽しかったぜ。学ぶことは楽しい。もっと……いろいろなことを、もっとだ。知りたいと、思った」
 「貪欲なのはいいことだ……よかろう、書庫を広げるか。わたしが真摯に教えてやれるのは法学ぐらいだが……こんな島国の教師どもよりは貴様にとって有益なものを与えよう」

 いいや、既に、お前はたくさんのものをくれている。

 「これ以上はもういい」
 「これ以上?」
 「なにも要らねぇぜ」

 なにも……なにも居やしない、腹に在るのは自分の内臓だけだと、言ってやればいい。

 「おれは『進路』を考えたい。『大学』で学びたい。やりたいことを見つけて、将来を決めたい。その邪魔はさせねえ……誰にも」

 誰も居ない、できちゃあいない、と言えば、すぐにでも茶番劇は幕引きとなるだろうに。最後まで核心に触れなかったのは、嫌だったからだ。撫でられた、撫でる手を受け入れた。キスをされた、キスをした。守られた、血を与えた、一つになれた。その全部をこの体は覚えている。全部、『なかったこと』にはしたくなかった。

 「おれはおれの道を行く」

 自由を得る……それは限りなく本心からの願いでありながら、それすら上っ面に過ぎないだなんて、なんと虚しいことだろう。

 腹から引き剥がした白い指、無造作に放るようにして離した。だけにとどまらず、傍にある心地好い体温を押す。とん、と鳴る音は軽いけれど、込めた力は強いから、自分と同等の体躯を少し、突き離すことができた。突然の行動、これまでにはなかった明確な拒否、きっと戸惑っただろう。目の前にある端正な顔立ちに怪訝の色が浮かぶ。いきなりなにをする、という不快や苛立ちよりは、あどけなさが目立つ……どうしてこんなことをするのと子供が問うような顔。きょとんとした、無防備な……そんなツラはやめてくれ。せり上がってくる声を寸でのところで堪える。

 「この手で拓いてこの足で進む」

 温もりを遠ざけた腕はそのまま拳をつくる。片足を後ろへずらし半身を下げ、承太郎は構えを取ってみせた。いよいよ状況が呑み込めない、まったくわけが分からない、と言いたげに唇を開きかけるのが見える。何か言い返す隙を与えてはいけない。承太郎は「だから」と、声音を強めて先を制した。神社の境内に木霊する承太郎の低い声、その牽制から、さすがに異変を察知してか口を噤み、眉間を顰めてみせた。『答え』を得ようと待ちの姿勢に入った相手へ向けて、このまま一気に畳みかけなければと、承太郎も息を吸う。

 「だから」

 もう騙ってはいられない。これ以上は騙したくない。腹を満たすは虚ろな偽りばかり……こんなものがないと繋がっていられない関係だ。どうせ近いうち……十月十日以内には必ず終わるのだ。それなら今夜終わらせたい。いずれ失望させるのなら、興味が失せるのなら……だったら、けじめは自分の手で付ける。それが一方的な決意だとしても。

 スタンドが同じタイプだからか、よく、『似ている』と表現されてきた。言われても納得できなかったけれど、なんだ、エゴイストなところはそっくりじゃあないか。あるいは、自分の方がより残酷だ。無表情に、淡々と、こんなことを言うのだから。

 「だから、てめぇとは戻らない」

 眉も頬もほとんど動かなかった。感情が表へ出にくい鉄面皮が、賭け事以外の場面で役に立っている。それを、よかった、と心底思った。本心がどうであろうと、何を考えていてどんな想いを抱いていようとも、この口が告げるのは決定打だけなのだから、無感情に見えるのならばそれでいいのだ。どこまでも淡々と、なんでもないことのように平然と、言わなければならない。代償には丁度良いではないか。ひとを傷付けた嘘吐きには見合っている。

 「てめぇとは行かねぇぜ。おれはてめぇと共に、生きない」

 一緒には、いられない。

 「エジプトへは一人で帰りな」

 嘘から始まった。嘘を秘めたまま、終わらせる。

 承太郎が返事を待つ番になった。DIOは長い時間をかけて二度、三度、まばたいた。夏の夜風に飛ばされる葉が二人のあいだを通っていく。舞い踊る深緑の合間から見え隠れするDIOの姿形に、これといった変化はない。佇まいもいまだ優雅さを保ち、静かなものだった。聞いていなかったんじゃあないかというぐらい大人しい。だが、話を理解できなかったわけではないのだろう。DIOもまだ待っているのだ……承太郎が突き付けた離別と拒絶、承太郎自身が、嘘だぜ、と、訂正するのを待っている。

 もちろん承太郎は言い直す気も撤回する気もなかったから、DIOの眼差しを真っ向から受け止めてはいても受け入れることはない。互いに黙り、互いの返答を待っていた。やがて、妖しの目は月明かりを集めふわりと輝く。そうしてDIOは承太郎へ語った。

 「貴様はあんがい思慮深い男だ。少し立ち止まって考えたいのだろう。今までにも何回かあったことだから、わたしも分かっている。分かっているぞ。生きている限り、不安は付き物だ」

 手を、きゅ、と握られる。人間ではないくせに温かい。骨をも砕けるのに包み込んでくる。

 「その都度、手に手を重ねてきたじゃあないか。今回もまた確認行為……子猫が親の愛情を乞うて確かめるようなものだろう……まさか本気じゃあ、ないんだろう?」

 やり直しの効く、時間を巻き戻せる……機会を与えようとするDIOの優しい目。ひとつ残らず汲み取って、けれど承太郎は首を振る。表示する意思は。

 「さようなら、だ。DIO」

 手を振り解き、その名を呼んだ瞬間に掠れた声。気付かれていないことを、どうか、と祈る。

 「さようなら、か。承太郎」

 DIOがまた、まばたきをする。ばちん。火花飛ぶ……何かが爆ぜる、破壊の音がした。

 変貌は急激。世界が反転したかというほどの強烈な気。感知して、承太郎は総毛立つ。承太郎の中を巡っている血が一斉に騒ぎ出していた。DIOと共に生活するようになってからは、普段なりを潜めていた、ジョースターとしての本能だった。DIOの猛りに呼応している。細胞から髪の毛の先までくまなく。やつが目覚めた、やつが来た、やつが居る、やつに見られている、やつが、やつが、と、けたたましく叫び、承太郎の神経を煽る。構えている腕にスタープラチナのそれも重なる。体は判断を下したのだ。こいつは敵だ、と。

 「ふ、ふ、ははは……よく言った……よく、言ったじゃあないか」

 乾いた哄笑は周囲に闇をもたらす。眠っていたはずの鳥達が、真っ暗で何も見えないだろうに、それでもここに居るよりはましだと、急ぎ飛び立っていく。彼らの影の下、承太郎は彼らのように飛んで行けない。些細な身動ぎにも危険を伴う。それほど今のDIOは危うい。自分が下手に動くと更なる撃鉄を起こす……そうなれば故郷への被害はカイロの街の比ではない……一筋の汗を流すことにも緊張を強いられた。

 「ここで、こんなところで、ここまで来て、掌を返されるとはな。つくづく思い通りにならないものだなァジョースターの血統は」

 DIOの目には、触れれば切れそうな鋭さが、歯茎も見えんと剥かれた牙は闇夜に映える。鳥居の元に居ながら、神の力など物ともせず、西洋の鬼は凶暴な正体を現す。穏やかに流れていた金糸が硬質な刃のように逆立っていくのを、承太郎はただ見ていた。体はDIOに過剰反応しているが心は波立たない。そこに恐怖はない。スタンドを出して、構えて、戦闘への準備は整っているのに、心はひたすら凪いでいる。それどころか見蕩れるのに近い熱い視線で、DIOの昂ぶりを見つめている。

 怒っているな……そりゃあ怒るだろうな。

 自己完結して自分勝手に別れを宣言した側は、自己満足に浸れるのかもしれない。やっぱり酷い話だ。それでも承太郎はDIOを、いとおしい、と、強く思った。今のDIOは、始まりの日と同じだ。花が咲くようにほころんだ、あの笑顔と同じ。感情こそは真逆だけれど、同じなのだ。花を咲かせる喜色、花を散らせる憤怒、どちらも見事に顔へ描いたDIO。

 DIOは表情が豊かだ。太陽の照らす世界では生きられない、百年もの間暗闇を歩いてきたDIOだって、ちゃんと、花を持っている。

 人間ではない男は誰よりも素直に感情を露わにする。得体の知れない帝王と、部下達が怯えているのを何度も見たことがあるけれど、DIOの表情も感情も、承太郎には分かった。

 「わたしと別れてこれからを歩む?」
 「そうだな」

 くいと上がる口角。ぴくりと動く眉尻。ほら、こんなにも分かりやすい。

 喜びでも怒りでも、承太郎はDIOの移ろう表情を、いとおしいと思ったのだ。あの日以来、多分ずっと見蕩れてきた。

 「わたしの元には来ないと?」
 「ああ」

 ああDIO、好きだ。

 いとおしい。いとおしい。いとおしくて、苦しい。

 「よくも言ったな」

 DIOは笑い続けている。笑いながら当然のように分身を呼び出した。直後、数十発と放たれるザ・ワールドの連打を一つ、相殺し損ねてバランスが崩れる。体が傾いだところへ続け様に殴打を受ける。鳥居の柱ごと吹き飛んで承太郎は硬い幹に体を打ち付けた。御神木が揺れて葉が落ちる。次いで激痛が走るがこの程度では気絶できない。はらはらと舞う葉の色とよく似た緑の瞳で、正面を見据える。神聖なる木に無礼を詫びる暇もないのだ。なぜなら地面に落ちた若葉をDIOが踏み躙っている。距離を詰める速さに隙はない。

 「よくもそんなことを言えたものだこのDIOに」

 頬にザ・ワールドの拳が入った。ごッ、と鈍い音が鼓膜を打ち、視界は点滅して星が飛ぶ。DIOは腕組みを解かず、あくまでもザ・ワールドの力で承太郎を的確に打ちすえていく。頬、右目、左目、顎、こめかみ。顔に飽きれば胸に一発。呼吸ができず咳き込む承太郎を見下ろすDIOはあいかわらず笑っている。

 「母親という人質がなければわたしに勝てると踏んだのだろうが」

 防戦一方の本体をどうにかして守ろうと、スタープラチナは両腕のガードで承太郎を守っている。戦わないのか、反撃は、そう言いたげなスタンドにちらと目を向けられても承太郎は黙って耐えた。エジプトで、DIOの『世界』を前に挫けず戦えたのは闘志があったからだ。館でDIOに屈さずいられたのもまた。スタンドは精神の像。闘志があれば戦える……言い換えれば、それがないと腕を振り上げることもできない。萎れた心では戦えない。口内に溢れ唇から滴る血を吐き捨てて、承太郎はDIOを見上げる。

 こんな傷がどうした。生温い。ちっとも痛くない。DIOの笑みを見ている方がよほど、きつい。

 「あまり調子に乗るもんじゃあない。猿にも等しい人間ごときがこのDIOに要求するだと?」

 笑うDIO。口の端はつり上がっている。目元は三日月を象っている。笑っているように見せかけて怒っている、と人は思うだろう。だが承太郎にはそのさらに裏側、別の色が見えている。ザ・ワールドの猛攻を髪一重に捌きつつ、承太郎は、自分へ向けられる攻撃よりもDIOを見つめている。本当に分かりやすいやつだ、と、唇を噛み締めた。笑って、笑って、内心では怒り狂っているようで、だけどDIOは吸血鬼の手を上げないでいるのだ。スタンドに任せてただ殴ってくる……それはDIOが自らに課した自制だった。ザ・ワールドだけならば承太郎もスタープラチナを盾に対応できる……DIOはそう考えている。組んだ腕とは、組んだまま解かれぬ腕だ。己の二の腕を掴む両手の震えは、暴力的な衝動を堪えている証だ。透き通る白さの肌の中、そこだけ薄らと赤みを帯びている眦。上がっているはずの口角は、ひくひくと小さく戦慄いている。

 「う、ぐ、かはッ」
 「なんと無様で痛々しい姿よ」

 顔や胸に何発受けようと、口を切り痣をつくろうとも、承太郎にとっては、幼子にどうしてどうしてと叩かれているだけだ。痛くない。ガキの癇癪、その一叩き一叩きは痛くない……だからこそ、それがとても。

 「ぼろぼろだな。かわいそうになァ。痛むだろう、承太郎」
 「いてぇ。とても……ぁ……とても痛い、DIO」

 お前の泣き顔を見るのは、痛い。

 承太郎は血と一緒に零す。弱音とも取れるそれに、DIOは一度、瞠目した。懇願と降参、屈服したと思ったのだろう、不意にザ・ワールドが止まって、薄れ消える。承太郎、とDIOが喉を震わせる。考え直したか、と唇が動く。常にある自信をどこへやってしまったのか、ぎこちなく、問う。辛うじて立っていた足で土を踏み締め、立ち直し、学帽も直して、承太郎はDIOと対峙する。承太郎がその目に宿す意志を見て、DIOは再び赤黒い炎を燃やし、双眸を煮え滾らせた。

 「わたしを拒む貴様に選択権はない」

 掴まれた首は体ごと上へ上がっていく。貴様はわたしのものだ、と、首筋に寄せられたDIOの唇に承太郎は息を漏らした。自分でも驚くくらいに熱い吐息だった。息苦しさから生まれたのではない……いったいなにを期待した。口付けはおろか吸血もないというのに。おれも馬鹿だ。長いこと馬鹿だった。まだ、馬鹿のままでいちゃ、だめか。

 「わたしのものにならない貴様ならば、承太郎」

 片手で承太郎を持ち上げて、みしり、と血管を浮かせたもう片手も掲げられる。この次に来るのはザ・ワールドではなくDIOの、今度こそ吸血鬼の放つ一撃だ。満足に呼吸をできない今、スタープラチナの助力も頼めない。承太郎は無防備だった。防ぎ切れないのは明白だった。避けようとは思わなかった。死にたいわけじゃあないのにどうしても思えなかった。ばかのままでいっても構わない、と、一瞬だけでも思ってしまった。酸欠で、視界が霞んで、DIOがどんどん遠のいていく気がして、手を伸ばしたいけれどそれも叶わない。触れられないのはまだしも、触れることさえできないとは。

 寂しい終わり方だったな。

 初恋だったのによ、と承太郎は微笑み、そして。

 「馬鹿が」

 確かに振るわれた凶器の手は、突き破るはずだった場所にそっと置かれている。眼下にあったDIOに見下ろされている。承太郎ははっきりと目を開けた。締められていた首も解放されてDIOの腕に収まっている自身の状況を認識する。

 「できるわけッが、ない、このッ馬鹿」

 たくさんの言葉が溢れて喉奥が詰まってしまったかのようにDIOが喘ぐ。

 「たとえここに」
 「うッ、あッ」

 無駄な肉が付いていない腹部を無理やりに握られ呻く承太郎の額へ、DIOの額がこつりと当たる。

 「ここになにもいなくとも……おれ達のあいだに、なにもなくとも!」

 至近距離から響くDIOの悲痛な咆哮。DIOの頬と自分の頬を濡らすものの温もり。つられて、承太郎も目の奥が熱くなる。

 「それでもおれはお前を」

 安心したいんだ。安心を、守りたい。

 「おれ自身の怒りや殺意からだって守りたい……お前という安心を」

 承太郎は思い出した。あの時、見ていたのだ、と。背後の男を、強引に身を捩り振り返って、見た。あの時のDIOもこんな風に泣いていたのではなかったか。あの時にこの腹は疼いたのではなかったか。DIOを濡らす雫を拭いながら頬を挟み、引き寄せて、承太郎はそのしょっぱい唇をちろりと舐めて、学帽のつばからDIOを見上げる。

 「聞いてやる……てめぇは、おれがどうしたら一番安心できるのか、って」
 「もっとだ……血を飲めばそれが一番満たされるが……今はとりあえずもっと捧げろ、その口を」
 「アイアイサー」

 微笑んで、DIOが、すん、と慣らした鼻にお望み通りの品を贈った。



 「う……んん……待て」
 「待たぬ。どこにも行かせん。もうわたしを煩わせてくれるな」
 「その話は一旦忘れろ……そうじゃあなく……ちょっ、と待て、DIO」
 「ぬう」

 まだキスをしたがる、完全に甘えっ子モードな吸血鬼の頭を押さえ、眉を顰めた。

 「なにもいなくても、と、そう言ったのか? さっき」

 承太郎の険しい顔つきとは正反対に、ああ、と合点がいったと頷いてDIOは暢気に首を傾げる。

 「男同士で子を生せるはずがないだろう……ン? 貴様まさか……承太郎、おしべとめしべの仕組みを知っているか?」
 「や……」
 
 やれやれだぜと、承太郎は顔を覆う。

 嘘吐きはどっちで、おばかはどっちだ。

 判定する者はこの場に居ない。



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