双星〜地球と智球〜
□第一章 夢…そして現実へ
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「………はいぃ?」
しばらく間をおいてから、桃代が素っ頓狂な声をあげる。
櫻子は頬杖をつきながら記憶を探るようにぽつりぽつりと口を開く。
「……いつから見だしたかわかんないの…。でも、いつも夢にしてはリアリティーがありすぎて…男の人の腕を引っ張った感触とか……覚えてて………」
「…じゃあそれって、ホントにあったことを何度も夢見てるってこと?」
「………かも…しれない。だったら……何なんだろうね…。有り得ないよね。風景とかも明らかに日本じゃないのに」
わからないという風に笑顔を浮かべ、櫻子は肩を竦めてみせた。
桃代も、わからないという風に、腕を組んで考え込んでいる。
その時、教室に予鈴が鳴り響いた。
おしゃべりはそこで、強制終了。
桃代は、また続きは昼休みね。と言って席に帰っていった。