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□ソウ先輩
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〈デート〉
気付いたら、テストまで後二週間。
正直なところ、勉強したい。
……けど。
「あ……、やっぱり来てくれた。今日は部活休みなんだ」
「! そうですか……」
――今日は先輩と一緒に居れないんだ……。
先輩と、後輩という間柄二人でいれるのは……会えるのは部活しかない。
だからテスト前でも、来てしまう。
「だから……デート、いかない?」
「え……」
「僕はもうバイバイしたくないからさ……。ダメ、かな?」
淋しそうに笑う先輩に、胸がくすぐられる。
「デート……どこにですか?」
「んーーあと少しでテストだから……図書館で一緒に勉強っ! なんて、どうかな?」
「……はい。ぜひ行きたいです」
きっとソウ先輩のことだから、私に気を遣ってくれたんだろう。
そう思うと自然と口角が緩む。
あまり使わないからか、自分の笑みの深さがよくわかった。
「っ!! 名無しちゃん……可愛すぎるよ」
「ん……」
押し付けるキスから、啄むキスに変わって……頬が熱くなってきたときに終わった。
先輩の頬も赤くて、クスッて笑うと気まずそうな顔をして、私の手に先輩の大きな手を絡めた。
「……行こ」
「はい……」
―end―