薄桜鬼 鬼は忘れているはずが無かった
□秘密を知った……?
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文久三年、十二月。
「平助弱いわね。本当に腕をあげたの?」
「安寿が強すぎるんだよ………総司打ち負かすくらいだしよー!」
とある寒い日の昼下がり。安寿は平助と稽古をしていた。
「本当に組長なの?手ごたえないわよ」
ふふん、と笑いながら刀を鞘に戻した。
「安寿!もう一回だ!!」
「何度やっても同じよ?それでもやるの?」
安寿は平助が悔しがるのを見てやけに得意げになった。
「……そういえば、今日の夜の巡察誰だったかしら」
たしか、今日の日中の巡察は原田佐之助率いる十番組だったか。
「夜は俺と総司、あと副長だ」
縁側にいた斎藤が答えた。
「なら、安心ね。信頼出来るもの」
「安寿!どういうことだよー」
平助が嘆く。
「だってあんたは剣術下手だもの」
また稽古つけてあげようか?と訊いてみる。
「絶対オレが勝つ!!」
まるで子供みたいだと思いながら斎藤は見ていた。