短編は

□◎
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「結婚式ー?しないよ?」

シグマの先輩でもある吉野裕行と結婚することになった

それなりに年上の裕行と気づいたらもう四年近く付き合ってて、おばさんになるまえに結婚しとくかってぎりぎり30まえで嫁ぐことができた

そして仲のいい後輩に聞かれた
「結婚式はしないんですか?」の言葉

別に結婚式がしたくないわけじゃないし、結婚式をあげるお金がないわけでもない。

如何せん忙しいのだ

裕行はレギュラーでアニメが、あたしは月から金まで朝から昼にかけてのナレーションが固定化されていて長期休暇なんて夢のまた夢

「えーでも結婚式って夢じゃないですか?」
「いや、もう若くないしいいよ、結婚式」
「自慢したいじゃないですか!!勝ち組だってことを!!」
「そんな願望なんだね」


たしかに一理ある。
両親も娘が結婚するんだから結婚式したほうが大々的にお祝いできるし

「でも妙子さん幸せそうですね」
「え、そう?」
「なんか働く女から働く主婦になりましたよ?」
「変わんないでしょ!それ!」
「私には見えますよ!家庭も仕事も両方充実してる感がガシガシ伝わってきます」
「言えてるわー」
「さらっとノロけるんですね」
「そんなつもりじゃないよ!!あ、」
「吉野さんですか?」
「うん、電話だ。ごめんね、じゃ、お先」
「引き止めてすいませんでした!お疲れまさです」

肩に荷物を掛け直して駆け足で廊下にでてくる

「もしもし?」
「あ、俺。まだ終わってなかった?」
「ううん。喋ってただけ」
「そっかそっか。俺終わって今から帰るんだけど、スタジオ近いから一緒に帰ろうと思って」
「おっけー」

じゃ、駅で。と約束をして電話を切る。
結婚して堂々とできるようになった
結婚式もいいけど、今は結婚後の変化がたのしいから十分


僕らにゆめはいらない

「でも妙子のウエディングドレスはみたいなぁ、」
「え!!いいって!!そしたら裕行もタキシードだよ!?」
「それは、きついな、」

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