トンボと田んぼは水色メガネ

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嫁子が仕事を辞めてから夜ご飯の品数が2品増えた。洗濯の回数が増えた。
デレるようになった。


「悠一くん」
「ん?」
「お風呂溜まったよ」
「一緒に入るか?」
「はいる!」


前までなら絶対入るとはいわなかっただろう。
いや、一緒に入るのが初めてなわけではないが


「あ"ーーー」
「おじさんになってんだけど!!」

俺の足の間に座る嫁子が振り向きながらからかってくる

「悠一」
「ん」
「男の子かな、女の子かな」
「まだわかんないんだろ?」
「16週から違いがわかるらしいよ」
「もうすぐじゃん」
「はっきりするのは24週からだって」
「あ、次の検診の時抜けれそうだから一緒に行くわ」
「ほんと?うれしいなー」

後ろ姿からも嬉しそうな雰囲気が伝わってくる
これだけで嫁子が嬉しくなってくれて、幸せだなって感じる

「きっと悠一は女の子ならデレデレだと思うの」
あたしを忘れるぐらいに

くるっとひっくり振り向いて真面目な顔で言ってくる

「うん」
「そうなると、娘は悠一を大好きになる。あたしは寂しい」


最近でれが多いとおもったのはそう言う意味だったのか。ととても納得する。

「なあ」
「ん?」
「俺がなんで子供にデレデレになるとおもったんだ?」
「ラジオで娘ができたら甘やかしたいっていってたじゃん」

ゆうきさんとのやつ

そういや、そんなことも

「俺は、嫁子とのこどもだからだよ」
「え?」
「大好きなお前との子供だから愛おしんだろ」
「そっか」
「それに、男でも女でもいいし、お前だって生まれたら俺はほっといて子供にばっかり構うんだろうし」
「それはわかんない!」
「わかんねーのかよ」
「でも、今はこの瞬間は悠一が一番好き!!」

真剣な顔で答える嫁子が可愛くて抱きしめる

この今の時間を大切にしようと思えた瞬間



「悠一」
「ん?」
「悠一大好きだからヨーグルト買ってきて♥︎」


大好きは安い

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