TOWマイソロ2&3
□お昼寝
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そこで僕はキッチンにあったフライパンとお玉を持ってきました。
スタン様の妹様がやっている、『死者の目覚め』を見様見真似でやってみようと思ったからです。
「シオ様!起きてください!!!」
カンカン!っとお玉でフライパンを叩くけれど、やはり見様見真似では効かないのか、シオ様は起きてくださらない。
「むぅ…」
僕はフライパンとお玉を戻すと、シオ様の眠っているテーブルに降りた。
ユサユサとシオ様の体を揺らし、一生懸命に声を出す。
「シオ様!起きてください!!」
と、言ったその時でした。
腕枕となっていた腕が僕に伸びてきたのは。
「ふぇっ!?」
気付いた時には時すでに遅し。
僕はシオ様の腕の中に収まっていました。
「ん〜…」
シオ様は一向に起きない。
「そういえば、朝弱かったんだった…」
今更ながらに僕は思い出した。
シオ様は朝が弱いのです。
顔は起きているように見えても、中身は全く覚醒しておらず、食堂に来るまでに何回も柱や壁にぶつかってしまいます。
ですから、お嬢様が毎朝、シオ様を食堂までお連れになられるのだ。
「どうしよう…」
僕の力じゃ到底シオの腕は振りほどけない。
抜け出すのも困難だ。
「スー…スー…」
「………」
―起こすのも、何か悪いかな…。