TOWマイソロ2&3
□人間らしく
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依頼を終え、シオはバンエルティア号に戻って来た。
「シオ、おかえり…って、どうしたのっ!その顔っ!?」
ホールにいたアンジュが声を上げた。
シオの頬に赤黒い痣が出来ていたからだ。
「大した怪我じゃない」
アンジュとは打って変わって、本人は冷静に答えた。
「誰にやられたの?まさか、依頼で捕まえないといけなかった男?」
アンジュの言葉にシオはこくんと頷いた。
今回の依頼は、元彼にストーカーされている女の人からのもので、その元彼を捕まえ、警察に差し出して欲しいという内容だった。
「ストーカーの証拠がなかったから、警察まで引っ張れなかった。だから、わざと殴られた。そしたら、傷害罪で警察に引っ張れると思ったんだ」
「だからって、あなたが殴られるなんて、おかしいわ」
アンジュが悲しげに眉を顰めた。
「アンジュ、どうしたの?……って、シオっ!?」
そこへルカ、イリア、スパーダの3人がやって来る。
ルカはシオを見るなり、おどおどし出した。
「こりゃひでぇな…」
「あんた、医務室行った方がいいわよ」
「アニーは今下船しているから、行っても無駄だよ」
シオは他人事のようにイリアに言った。
「じゃ…じゃあ、僕が手当てするよ」
「ルカが?」
シオがじっとルカを見下ろす。
ルカはもじもじとしながらも、シオからは目を逸らさない。
「ほら、ルカもこう言ってんだし、手当てされなさい」
イリアがシオの腕を小突く。
シオは放置しておこうと思った、頬に触れた。
「…分かった。ルカ、手当て任せてもいいか?」
「もちろんだよ…!」
ルカはそう言うとシオを連れて、自室へと向かった。