TOWマイソロ2&3
□感情
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「ディセンダーのあなたにどこまで感情が理解出来るかは分かりませんがね」
何気なく言った、ジェイドの一言。
その言葉にセリカは返す言葉が思いつかなかった。
いつもなら、笑えるはずなのに、笑えない。
アニスと戦っている際にも、その事ばかりが頭をよぎり、集中出来ない。
「ディセンダーだから」
その言葉は聞き飽きるくらいに言われた。
ディセンダーは特別な存在。
無知なため、何事にも恐れを知らない。
だからなのか、ディセンダーには感情がないものとされている。
しかし、セリカは違う。
人並みの感情がセリカにはあるのだ。
「何がディセンダーよ…」
弓矢に力を込めて、放つ。
「アニスも守れないで…何がディセンダーよ!」
セリカはやるせない気持ちを弓矢に込めて、ひたすらに打った。
セリカの矢はアニスの巨大化した人形にぶすぶすと刺さっていく。
「あたしはセリカよ!ディセンダーとか関係ない!!あたしが救いたいから、救うの!!!」
セリカの咆哮にも似た叫びと共に矢は人形を射抜いた。