TOWマイソロ2&3
□幼馴染
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「たぁっ!」
リッドが剣を振り、モンスターをまっぷたつにする。
その隣では、ファラがモンスターを殴り、さらに後ろには詠唱中のキールがいる。
そのちょうど真ん中にいたセリカは、弓矢を構え、モンスターを矢で射抜く。
「ふぅ〜…。これで全部か…」
モンスターを全て倒し終わった後、リッドが肩を回しながら言った。
「リッド、怪我してない?」
ファラがリッドの体をジロジロと見る。
「してねーよ。心配症だな、ファラは」
「リッドはちゃんと見とかないと、言わないからよ」
くまなくリッドの体を見回した後、ファラはよかったと言うように胸を撫で下ろした。
「………」
そんな様子をじっと見ているセリカ。
「どうしたんだ?」
キールがセリカに声をかけた。
「リッドとファラ、いいなぁ〜って思って」
弓矢を矢筒に戻しながら、セリカは言った。
「あたしには幼馴染、いないからさ。羨ましい…のかな?」
セリカは世界樹から生まれた、世界樹の一部だ。
幼馴染などいる訳がない。
おまけにディセンダーは無知だとされている。
だから、何も恐れない。
しかし、セリカは少し特殊らしく、ディセンダーだと言うのに感情がある。
だから、セリカが幼馴染を羨ましく思うのは、おかしな話ではない。