レジェンズ

□譲れないモノ
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シオは朝、秘密基地に寄るとシロンを連れ、学校に向かった。

「ガガガ?」

カバンのポケットからシロンがシオを見上げる。

―そういや、説明すんの忘れてた。

「グリードーのサーガがお前に会いたいんだと。だから、連れて来いって」

シオの言葉にシロンは再び声を上げた。

―だから、分からんって…。

「学校の中入るから、静かにな」

シオはシロンに釘を刺すと、学校の門をくぐった。

「神威さんだ」

途端に校内は騒がしくなる。

―めんどくさい…。

シオは気付かないフリをして、靴を履き替えると竹智が待っているであろう、屋上に向かった。

「あ…おはよう、シオちゃん」

階段を上がっていると、ランに会った。

「おはよ、ラン」

「…屋上に用事?」

「まぁね。HR前には戻るから」

「分かった…」

シオはランにそう言うと、階段を上がった。

―竹智がいる、なんて言ったら、どんな噂が流れるか…。

ただでさえ、目立つのだ。
これ以上に目立つのは避けたい。

「ガガガ」

「待てって」

ガチャガチャと屋上の鍵を開けると、ギィとドアが開いた。
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