レジェンズ
□譲れないモノ
1ページ/4ページ
シオは朝、秘密基地に寄るとシロンを連れ、学校に向かった。
「ガガガ?」
カバンのポケットからシロンがシオを見上げる。
―そういや、説明すんの忘れてた。
「グリードーのサーガがお前に会いたいんだと。だから、連れて来いって」
シオの言葉にシロンは再び声を上げた。
―だから、分からんって…。
「学校の中入るから、静かにな」
シオはシロンに釘を刺すと、学校の門をくぐった。
「神威さんだ」
途端に校内は騒がしくなる。
―めんどくさい…。
シオは気付かないフリをして、靴を履き替えると竹智が待っているであろう、屋上に向かった。
「あ…おはよう、シオちゃん」
階段を上がっていると、ランに会った。
「おはよ、ラン」
「…屋上に用事?」
「まぁね。HR前には戻るから」
「分かった…」
シオはランにそう言うと、階段を上がった。
―竹智がいる、なんて言ったら、どんな噂が流れるか…。
ただでさえ、目立つのだ。
これ以上に目立つのは避けたい。
「ガガガ」
「待てって」
ガチャガチャと屋上の鍵を開けると、ギィとドアが開いた。