レジェンズ
□愉快な仲間と不愉快な好敵手
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グリードーとディーノの感動の再会の後、秘密基地の屋上に集まったメンバーは改めて、自己紹介をする事にした。
「俺はシュウ!レジェンズクラブの会長だ」
―レジェンズクラブ…?
そういえば、秘密基地の中に変な旗が飾ってあったなとふと思い出すシオ。
「あたしはメグ。元水のサーガよ」
「僕はマックなんだな。元土のサーガなんだな」
「僕はディーノ。元火のサーガさ」
「あたしはシオ。風のサーガだ」
―前サーガが勢揃いって訳だ。
「あの、シオさんは高校生なんですよね!」
「あ、あぁ。そうだけど…」
何故かキラキラと目を輝かせ、メグが食い気味にシオを見つめる。
―なんでカメラ構えてるんだよ…。
「制服可愛い〜」
カシャカシャとカメラのシャッターを切るメグ。
あまりの速さにシオはたじたじになる。
「メグ、落ち着くんだな」
そんなシオに助け舟を出すマック。
―最近の中学生ってすごいな…。
「えっと、シオさんでしたっけ?」
グリードーとさっきまで話していたはずのディーノが遠慮がちに声をかけてきた。
ガヤガヤと騒がしい他とは違い、落ち着いた雰囲気のディーノになぜだか、同い年のような感覚を覚えるシオ。
「あなたは何者なんですか?」
「何者って、普通の高校生だけど」
「普通の高校生…」
シオの言葉を信じていないのか、ディーノの疑いのまなざしは変わらない。
警戒心が強いようだ。
「お前の方が何者感あるぞ、言っとくけど」
「僕が?」
「なんか、THEお坊ちゃん感がする」
「お坊ちゃん感…」
シオの言葉にディーノは首を傾げた。
気取った感じの服装に胸元に刺さったバラを見れば、誰でもそう思うだろう。
―なんか、あのいけすかんやつを思い出した…。
シオが深いため息をついたのとほぼ同時に携帯が鳴った。
嫌な予感がしつつも、シオが恐る恐るディスプレイを覗き込むと、そこにはいけすかんやつ、もとい竹智の名前が表示されていた。