Calc.番外編
□伊達にがめつい訳じゃない
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むかし、むかし、ある所に超絶可愛いシンデレラがいました。
シンデレラは実の母を失い、人使いの荒い継母と醜い姉達にイジメられていました。
しかし、シンデレラは文句など一切言わずに押し付けられた仕事を淡々とこなしていきます。
そんなシンデレラにねずみが聞きました。
「シンデレラは辛くないの?」
シンデレラは言いました。
「辛くなんかないわ。いい?ねずみさん。この世は美しい者が妬み、嫉まれるのが当たり前な世界なの。あんな醜い姉や継母にイジメられた所でそれは私を輝かせる要素でしかないのよ」
シンデレラは床をモップで磨きながら、続けた。
「どんなボロを着させられたって、私の美しさは誤魔化せない。あんな奴らに負ける訳なんかないのよ」
バシャンっとモップを勢いよく、バケツの中に放り込む。
「あんなブスにこの超絶可愛いシンデレラ様が負けるはずがないのよ」
「オーホッホッホ」っと高らかに笑うシンデレラ。
その様に流石のねずみ達も引き気味だ。
「今度の舞踏会でそれを証明してみせるわ」
シンデレラはそういうと、カレンダーをめくり、赤マルの付いている日を指さした。
「次こそは落としてやるんだから。首洗って待ってなさい、王子様」
不敵な笑みを浮かべるシンデレラにねずみ達は顔を引き攣らせた。