レジェンズ

□巡り巡って
4ページ/4ページ

「おぉ!いたな、ねずっちょ…じゃなく、でかっちょ!」

「だぁれがでかっちょだ」

屋上にやって来たのは、この間、ハンバーガーのスタンド屋台をしていた時に来た、あの元気な少年だった。

―たしか、シュウだっけ……。

「あ、この間のお姉さんなんだな」

のんびりな口調の少年がシオを見て言った。
その隣にはシュウにチョップをかましていた少女もいる。

「え…」

そして、その後ろにはいかにも育ちのよさそうな少年が立っていた。
少年はグリードーを見つめたまま、唖然としている。

―もしかして…。

「この子がディーノ?」

シオがグリードーに尋ねると、グリードーは静かに頷いた。

「シロン以外にも現代に蘇ってたなんて…」

少女がグリードーを見上げながら、嬉しそうに声を上げた。

―って事はこの子達も…。

「あー!あの時のお姉さん!!」

「反応遅っ…」

シュウと少女がガヤガヤと騒がしくしている中、ディーノとグリードーは何も言わないまま、互いを見つめて、黙っていた。

「……元気だったか?ディーノ」

先に沈黙を破ったのはグリードーだった。

「うん。君も元気そうだね、グリードー」

ディーノはグリードーを真っ直ぐに見て言った。

「ディーノはずっとグリードーに会いたがってたんだな」

不意に横から声がして、シオが横を見るといつの間にかあの少年が立っていた。

「会えてよかったんだな」

少年は笑う。
その笑顔にシオもつられて、笑みを浮かべた。

「…僕もガリオンに会いたいんだな」

―ガリオンって事は、この子は元土のサーガか。

「会えるさ。ブルックリンにいるはずだから」

シオが言うと、少年は再び笑みを浮かべた。

「僕、マックって言うんだな」

「あたしはシオだ」

「よろしくなんだな、シオ」

「よろしくな、マック」

シオはニカっと笑って見せた。
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ