レジェンズ
□巡り巡って
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「おぉ!いたな、ねずっちょ…じゃなく、でかっちょ!」
「だぁれがでかっちょだ」
屋上にやって来たのは、この間、ハンバーガーのスタンド屋台をしていた時に来た、あの元気な少年だった。
―たしか、シュウだっけ……。
「あ、この間のお姉さんなんだな」
のんびりな口調の少年がシオを見て言った。
その隣にはシュウにチョップをかましていた少女もいる。
「え…」
そして、その後ろにはいかにも育ちのよさそうな少年が立っていた。
少年はグリードーを見つめたまま、唖然としている。
―もしかして…。
「この子がディーノ?」
シオがグリードーに尋ねると、グリードーは静かに頷いた。
「シロン以外にも現代に蘇ってたなんて…」
少女がグリードーを見上げながら、嬉しそうに声を上げた。
―って事はこの子達も…。
「あー!あの時のお姉さん!!」
「反応遅っ…」
シュウと少女がガヤガヤと騒がしくしている中、ディーノとグリードーは何も言わないまま、互いを見つめて、黙っていた。
「……元気だったか?ディーノ」
先に沈黙を破ったのはグリードーだった。
「うん。君も元気そうだね、グリードー」
ディーノはグリードーを真っ直ぐに見て言った。
「ディーノはずっとグリードーに会いたがってたんだな」
不意に横から声がして、シオが横を見るといつの間にかあの少年が立っていた。
「会えてよかったんだな」
少年は笑う。
その笑顔にシオもつられて、笑みを浮かべた。
「…僕もガリオンに会いたいんだな」
―ガリオンって事は、この子は元土のサーガか。
「会えるさ。ブルックリンにいるはずだから」
シオが言うと、少年は再び笑みを浮かべた。
「僕、マックって言うんだな」
「あたしはシオだ」
「よろしくなんだな、シオ」
「よろしくな、マック」
シオはニカっと笑って見せた。