Calc.

□探し物
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「はぁ…。酷い目にあった…」

あの日以来、あの女達に追いかけられるようになった皇は帰ってくる度にそう呟くのが日課のようになっていた。

「お疲れ様」

白兎は皇から買い物袋を受け取ると、労いの言葉をかけた。

「つか、毎回そいつが買い物行ってるな」

リビングにいた千夜が疲れきっている皇を見て言った。
白兎いわく、「働かざる者、食うべからず」だそうだ。
つまり、何もやっていない皇は買い物係に任命されたのだ。

「量がすごいな」

「それは一夜が食べるからだよ」

「…すまない」

一夜が申し訳なさそうに軽く頭を下げる。
案外、一夜はいい意味でも悪い意味でも素直だ。

「まぁ、一夜は働いてくれてるから、俺はいいけど」

白兎は食材を素早く冷蔵庫に入れていく。
ここに来てからの白兎はもはや、立派な主夫になっていた。

「姫、今晩何食べたい?」

「また姫千佳贔屓かよ」

千夜が呆れたようにため息をついた。

「あたし?」

急に話を振られ、傍観していた姫千佳は自分を指さした。

「何でもいいよ。つか、たまには他のやつらのリクエストに答えろよ」

「だって、姫、女の子だし」

「関係ないだろ」

姫千佳はリモコンでチャンネルを回しながら、言った。

「まぁ、冗談はここまでにして、みんな、何が食べたいの?」

白兎がみんなにリクエストを取っている横で、テレビを見ている姫千佳は頬杖をついた。
あれから数日が経ったというのに、未だ王子の手掛かりはゼロ。
それどころか、他の革命派に邪魔される毎日だ。
姫千佳の姉達は短刀片手に「王子はどこだーー!!」と街を走り回っている。
赤ずきんに出てくるおばあさんは何故か、猟銃を持って、「狼はどこだーーー!!」と銃を乱射している。

−日本で銃乱射すんなよ…。
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