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□運命に報いるために
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ゆらゆらとカーテン越しに窓から差した、太陽の光がベッドで寝ている姫千佳を照らす。

「ん〜…」

重い瞼を開け、見えたのは見覚えのない部屋の天井だった。

―そうか、現代に来たんだっけか…。

ベッドから起き上がり、姫千佳はうーんと伸びをした。
おとぎ話の国を追い出されてから、今日で約2日になる。
昨日はこの家の掃除をしていたため、部屋の雰囲気にはまだ慣れないでいた。

「着替えるか」

部屋についている洗面台で顔を洗い、姫千佳は手早く服を着替えていく。

「姫、起きてる?」

コンコンっとノックがした後、白兎の声がした。
姫千佳は「今開ける」っと言ってから、ドアを開けた。

「おはよ、姫」

「おっす、白兎」

「朝ごはん出来てるよ」

「ありがとう」

廊下を歩きながら、姫千佳はふぁっとあくびをした。

「眠そうだね」

「あのバカどもがしっかりやんねぇから、仕事増えた……」

「壁に穴開けたんだよね」

「あの筋肉バカが」

あの筋肉バカとは一夜の事だ。
黙々と掃除しているのが嫌になったのか、掃除がてらに筋トレをしだした一夜が勢い余って、壁に穴を開けたのだ。
幸い貫通はしなったが、直すのは一苦労だ。

「今千夜と一緒に穴埋めてるよ」

「大丈夫なのかよ、あの2人で」

「昨日、姫がすごく怒ったから、反省してるみたいだよ?」

一夜と千夜は兄弟のように仲がいい。
悪く言えば、悪友というやつになる。
昨日の件も実 は千夜も混ざっていたのだ。
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