novel

□壊れた歯車
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黒子side

「黄瀬くんしっかりしてください。黄瀬くん!!」

呼んでも返事はない。
虚しくも夥しい血の海が黄瀬くんを染め続け、どんどん鼓動は弱っていく。

僕をトラックから庇ったせいで…

どうしてこんなことになってしまったんだろう。

勝手にファンの女の子に嫉妬して、ムキになって黄瀬くんの言うことも聞かずに道路に飛び出さなければ…

黄瀬くんがこんな目にあうことはなかった。

僕の目から一筋の涙が零れる。

そんな時こんな言葉が聞こえてきた。

『テツヤ、僕なら涼太を助けてあげられる』

『ただし…僕のものになるならね』

赤司くんの悪魔にも似た囁きが……

「それなら僕からもお願いがあります。黄瀬くんが…………までは」

『いいだろう。ただし…契約の証に今キスをしてもらおうか』

「……わかりました。」

黄瀬くんが助かるなら、僕はなんだってしてみせる…

僕は赤司くんに唇をそっと重ねた。

黄瀬くん…ごめんなさい。
キミの前で他の人とキスすること…

そしてもうキミと同じ時間を過ごせなくなることを許してください。
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