てきすと2

□誕生日
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やっぱり気持ちが大事なのだと思う。
こういうのはやはり気持ちだ。

そう、たとえ道端に咲いている雑草でも気持ちさえこめれば、その人にとって大切な物になるハズだ。
だがしかし。

土方と付き合い始め早数年。
そろそろ相手も毎年毎年の特製マヨネーズたっぷり料理フルコースもマンネリ化しているだろう。
そこで銀時が考えたものは

「土方くん誕生日おめでとう。プレゼントは俺だよ」
「その格好はなんだ」


「何って。プレゼント」
「そういう問題じゃなくてだな」

眉間を押さえ込んで唸る土方はおきに召さなかったようだ。
首に結んだ安っぽいピンクのリボンを指先で弄る。

「折角マンネリ化解消しようかと思ったんだけど」
「そんなことしなくていい」

ふんわりと優しい手つきで彼は頭を撫でてきた。
「お前のマヨ料理さえあれば俺は充分なんだがな」
「うぇーー?なんか毎回それだとなんかアレじゃね?新しいの?とか、珍しいの?とか、ほしくねー?」

唇を尖らせた銀時に鼻先が当たる位に土方は顔を近づけた。
その緋色の瞳と己のそれを合わせる。

「お前が毎年祝ってくれるだけで充分だって」 
「ほんとかよコノヤロー」

「あぁ、だがプレゼントはもらうぞ」
「へ?」

すると、視界が反転した。
一瞬で目の前が天井と土方でいっぱいになった。

「俺にプレゼントだろう?」
「うん」
 
「開けてもいいか?」
「……いいよ」


そうやってふわりと、ピンクのリボンがシーツの上でまった。

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