てきすと2

□うさぎについて
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白兎
紅い瞳の長い耳。

寂しがりやは嘘だというけれど、彼に関してはそれは真実になる。

「なんか、どんどん大人になってくんだよ」
前まであんなにちっさくて、ガキだったアイツらが

彼にしてみればそれは嬉しくもあり、寂しくもあるのだろう。
あのこ達が大人になる、それはひとりだちを考える時期に差し掛かったということだ。

「あぁ、そうだな。立派になった。」
「お前もそう思う?」

「そりゃあな、何年の付き合いだ」
「そうだな、俺達出会ってもうそんなにたってんだ」

感慨深そうに呟いた言葉に温かい気持ちになった。
「嫌だっていっても俺、十四郎の側にいてもいい?」
「……」

不安そうに見つめてくる瞳に、思わず吸い込まれそうになった。
己の腕に絡んでいた彼の腕がぎゅうっと締まる。
上目遣いなんて、可愛らしいことをしてくれる。

そのフワフワとしと銀髪にキスをした。
「たりめーだろうが。それはこっちの台詞だ」
「え?」

「お前が離せつっても、離れる気なんかねーから」

覚悟しておけ、と彼に告げる。
目を一杯に開いて、彼の目尻が真っ赤に染まっていく。

「ありがと」
「どういたしまして」

さみしがりやな彼の為に、自分のために、
ねぇ、
ずっと一緒にいるから

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