てきすと2
□あもーれ!
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「土方くん、土方くん」
「どうした」
万事屋で過ごす久々の休日。
あぁ、すこしなごやかなこの空間が好きでたまらない。
ゆっくりと進む時間は、まだ昼過ぎであることを告げている。
「俺さー、最近寂しいんだよね」
「なんだそれ」
「なんかざわざわっていうか、」
「不安になる?とか?」
そうそうそれ!
なんて相槌を打ってみせるから、こちらがなんだか寂しくなってきた。
「寂しいなら俺を呼べよ」
「仕事あるじゃん」
「カンケーねぇ。」
「副長さん、それでいいのかねぇ」
くすくすと笑う笑顔に、少しだけさみしさは無くなった。
「あー、でもさ、」
「ん?」
「今は、あの、そのだな...」
俯いた耳が赤い。
こういう時の銀時は、なにか大きなものを抱えている。
それをこいつは手放そうとしないし、たとえ腕がもげても足が潰れても最後まで抱えていくんだと思う。
それを否定しようとは思わない。
だが、それが少しだけ辛くなった時に弱みを見せるのがこれから先もずっと
「ちょっと、ギュっ、てしててください...」
「おう」
朱色はそのままに、あまり変わらない背丈の男を膝に載せる。
俺だけに、見せていればいいんだ。
共に抱えられなくても、いつでも俺は隣で歩いていくから。