≦鬼徹書物・長編≧ そうだ、地獄に行こう!!
□【第四話】 同じ屋根の下@
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…………
「………さん。」
「…柊さんっ?」
「おいっ、チビ助っ!歩きながら、寝るなッ!」
鬼灯の大きなバリトンボイスに、ハッと我に返った柊は「はいぃぃぃッッ!!」と、悲鳴に近い声で返事した。
(……今、『チビ助』って言われたような……。)
驚いて、ドキドキする胸を押さえながら顔を上げる柊。
鬼灯が腕組みをして、立ち止まっていた。どうやら、部屋に着いたらしい。
「一日目の仕事としては、オーバーワーク過ぎかもしれませんが、このぐらいでねを上げられては困ります。明日はもっと忙しいですよ。」
「えっ?あっ!大丈夫ですっ!というか、望むところですっ!地獄の裁判て、思っていた以上に奥が深くて面白いですっ!!」
柊は、両手のグーを振って力説する。