≦鬼徹書物・長編≧ そうだ、地獄に行こう!!
□【第三話】 一服の休憩
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「そんなことはさておき……。」
本題に入る鬼灯に、「……そんなことって。」とうなだれる閻魔大王。
「柊さんのことです。」
「柊ち……君?いい子だよね。若いのに仕事はテキパキしているし、鬼灯君と違って愛想がいいしっ。」
「私と違って…?」
ジロリッと一睨みする鬼灯に、閻魔大王はおもいっきり目を反らした。
「まぁ、その通りですけどね。…………ただ、無難に『いい子』過ぎるですよ、言い換えれば、天国に行く『普通の亡者』と何ら変わらない。」
「そっ、そうかい?でもまぁ、仕事ができる子だから問題は無いだろ?」
「私が言いたいのは、そこではありません。地獄の役職に就くのは亡者の場合、良いことにせよ悪いことにせよ生前の知名度と貢献度で決められます。柊さんの名前は、現世の中で聞いたことがありません。」