≦鬼徹書物・長編≧ そうだ、地獄に行こう!!
□【第五話】 同じ屋根の下A
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―――…閻魔庁内。鬼灯の部屋。
(わ〜〜〜ぁんッ!私の馬鹿ッ!馬鹿ッ!!馬鹿ッ!!!…。)
顔を真っ赤にし、後悔と緊張に苛まれながら、柊は右肩を下にした状態で寝ている。
その後ろ、少しの隙間を空けてはいるが、同じ布団内に背中合わせの状態で鬼灯が横になっていた。
柊が少し身動ぐと、足先が鬼灯の筋肉質で固い脹ら脛に当たる。
「〜〜〜〜〜…ッッ!!」
まるで亀の頭のように素早く引っ込めると、柊は耳まで真っ赤になった。
(落ち着け〜、落ち着け〜。鬼灯様は男同士だと思っているんだし、下手なことさえしなけれければ、女だってバレないはずッ。…………ただぁ。)
背中に感じる鬼灯の怒れるオーラが、柊の背中を針山のようにチクチク刺してくる。
(コレ絶対、怒ってますよね…ぇ。何か話でもして、少しでも和ませないと………明日、起きたとき顔を合わせづらい〜〜…えーと、えーと…ぉ。)
と、悩んでいる柊よりも先に……。
「柊さんは、何故地獄に就職しようと思ったのですか?」
鬼灯の質問が飛んで来た。
その声色は、思っていたよりも怒りを含んでおらずホッとする柊だったが、質問の回答に困惑する。