≦鬼徹書物・長編≧ そうだ、地獄に行こう!!
□【第四話】 同じ屋根の下@
1ページ/10ページ
――…閻魔庁の廊下。
「ふあ〜ぁ。それじゃあ鬼灯君、柊君の部屋は君の隣だから、連れててあげてよぉ。」
大あくびをかく閻魔大王。そんな閻魔大王を見上げた柊は、『となりのト●ロ』のメイと出会うシーンを思い出して苦笑いする。
審判の間での仕事が何とか終わった頃には、日もどっぷり暮れていた。
三人で閻魔庁内にある食堂で夕食を食べ終え、その後は各々の部屋に帰ることにした。
柊も鬼灯たちと同じく、今日からは閻魔庁内に住み込みとなる。柊と鬼灯は、廊下の途中で閻魔大王と別れた。
鬼灯の後を歩く柊に、ふと……………脳裏に昔…というか、生前の記憶が甦る…。
誰も来ることのない、真っ暗で何も無い部屋に…………柊は膝を抱えていた。
あのときは、何もすることも許されず………ただただ『生きる』ということだけが、柊の使命として課せられていた。
閻魔大王と鬼灯と三人で楽しい夕食を食べた後に……………一人の部屋に戻るのが、正直嫌だった。