夢小説「400年の願い」

□19 神様の贈り物
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「ドゥーシャ宛に手紙が来てるわよ」
 暑い季節から三カ月が過ぎた頃のことだった。
 一年の終わりがそろそろ近づいているという寒い時期、ギルドに贈られたのは一通の綺麗な便箋だった。
「私ご指名で依頼かな」
 私は冗談交じりに、ミラさんから手紙を受け取る。
 赤い蝋を溶かして封が閉じられていた。 どこかの紋章が蝋に焼かれている。
 どこか知らない貴族からかと思いきや、意外な人物だった。
「あ、アンナさんからだ」
「アンナさんって、あたしたちが吹雪島の依頼に行ったとき会ったあの人?」
 ルーシィーが不思議そうに顔を覗かせ、手紙の紋章と名前を見た。
「なんだ、パーティーの誘いだったら俺らも誘ってくれればいいのに」
 骨の付いた肉塊をむしゃぶり食うナツの様子を見ると、こいつがパーティーなんかに行ったら食べ物全部食いつくされるだろうなと、直感で感じとった。
「あ、私この紋章家で見たことある」
「ルーシィーん家で見たことあんなら、アンナさんって結構金持ちの家に住んでんのか?」
 グレイも会話に入ってきた。 ルーシィーの家事情は、聞いたことがある。
 封を開けると、手紙を読んだ。
「えーっと……私に話があるとか、なんとか」
「今頃なんの話だろうね」
 私は首をかしげて「さあ」と呟いた。
「でも、誘われたら行くしかないよね」
 少し遠いので、次の朝に行くことにした。
 いったい何の話だろう。 なんせ三カ月も連絡を取っていないし、何かの依頼でも頼みたいのだろうか?



 疑問と期待を胸に、手紙に書かれた住所へと向かった。
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