Young Justice

□プライド
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今日、折角ミッションをバットマンから貰ったのに、最悪だった。



ことの始まりは2時間前……。


「……以上のミッションを、スーパーボーイ、ロビンに任命する」
「りょーかい」
「頑張ろうぜ、ロビン」
そんな感じで、僕らは与えられたミッションに行こうとしていた。

そこに、彼が突っかかって来るまでは。


「ちょっと待てよ。なんで、スーパーボーイとロビンだけなんだよ」
「私のプランが、間違っているとでも?」
「ああ、大有りだ。2人じゃ難しいだろ」
「難しくは無い。ロビンの科学的な力と、スーパーボーイの力技で十分だ。お前は休んでいろ」
「ますます納得いかねぇな。バットマン、俺がへました事、まだ根に持ってんのか?」

そう。先日のミッションで、キッドは、失敗をした。その失敗をカバーしたのは、スーパーボーイだった。だから、今回のミッションに、彼が選ばれたのだろう。僕は、多分ハッキングで……。
そんな事を思っていた僕だったが、スーパーボーイが2人の中に割って入った。
「いい加減にしろよ、キッドフラッシュ。もう、決まった事なんだ」
「……良い子ぶりやがって」
「なんだと!?」
怒ったスーパーボーイが、キッドフラッシュに殴り掛かろうとしたが、バットマンに止められた。
「喧嘩をするなら、他でやれ」
「……ちっ」
舌打ちをして、一歩下がるキッド。そして、僕の方に来た。
「なぁ、ロビンからも言ってやってくれよ」
「えっと……」
僕はとても困っていた。こう来るのは分かってはいたけれど、まさか本気でそう来るとは、思ってもいなかったから。
「………」
僕が黙っていると、スーパーボーイが僕の肩をぽんっと押した。
「ロビンまで巻き込むな」
「っるせぇな!お前は出て来んなよ!」
「だから2人共、喧嘩しないで!」
何でこう、キッドは喧嘩したがるんだろう。勝てる筈もないのに……。
僕が呆れて溜息をついていると、メーガンが近寄って来た。
「大丈夫?」
「まぁ、何とか……」
「あの2人、最近良く喧嘩するわよね。何かあったのかしら」
「さあ?アルテミスなら、知ってるんじゃない?キッドの彼女じゃん」
「……そう、ね」
そう言い残すと、メーガンは行ってしまった。何だったんだろう?僕は本当の事を言ったまでだったのに。そして、2人が言い合ってる中、僕はこっそりとバットマンの方へ向かい、納まったら呼んで。と言って、自室に向かう事にした。色々と、仕度しないとね。


その途中で、アルテミスと出会った。
「あら、ミッションに行ったんじゃなかったの?」
「それがさ、またあの2人が喧嘩してて……」
「またぁ?全く……。呆れて言葉も出ないわね」
「僕もそう思うよ」
はははっと苦笑いを浮かべた。そして、僕はアルテミスに、ミッションに行く仕度をする、と言って、足早にその場から離れた。


そして自室に戻ると、僕はマスクを取って、溜息をまた零した。
「全く……」
本当に、呆れる。いつまで喧嘩するつもりだ、と。つかウォーリーのやつ、アルテミスと付き合いだしてから、僕とスーパーボーイが一緒に居ると、怒るんだよなぁ。何でだろ。
「………」
親友の恋が上手く行くのは、良い事だと思っている。けれど、やるせない気持ちも、同時にあった。
君の1番は、僕じゃなかったのか。
ふと、泣きそうになっていた。そんな時だった。
「ロビン?入るぞ」
スーパーボーイの声がした。いつの間にか扉を開けて、部屋に入って来ていた。
「っ……。泣いて、いたのか?」
「え?あ、あぁ、違う。欠伸しちゃったんだ。寝不足で……」
「……そうか。………」
じっと僕の顔を見つめて来るスーパーボーイ。僕は思わず、なに?と聞いてしまった。
「あ、いや、綺麗な瞳だと思って……」
「っ…。そ、そう。ありがと」
僕は慌てて、マスクをした。
「………ディック」
突然呼び名が変わったかと思ったら、抱き締められた。
「えっ!?ちょっ!」
「……すまない。いつも心配ばかり掛けて……」
「心配って……。あぁ、喧嘩の事?それなら、もっと早くに気付いてよ」
「…………それを言うな」
ははっと笑い合う僕ら。そんな時、僕はウォーリーと、目が合ってしまった。部屋の扉を開けっぱなしにしていたせいで。
僕らが抱き合ってるのを見たウォーリーは、行ってしまった。

その顔は、何処か寂しそうだった。

「どうした?」
「いや……。そろそろミッションに行かないと」
「ああ、だな」
僕から離れたスーパーボーイは、微笑んで、僕の仕度を手伝ってくれた。

さり気無い優しさで、僕の心を迷わすスーパーボーイ。
何か言いたい事があるのなら、言って貰いたいウォーリー。
どちらも、同じ立ち位置にいると、僕は思った。


どうして、僕は2人に、素直に聞けないんだろう。簡単な事なのに。

僕だって知りたいよ。2人の感情を。












END(あとがき)

相変わらず、作品が似ていて、申し訳ないです。ですが、良いな。と思って頂ければ、幸いです。

ここまで読んで下さって、ありがとうございました。

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