TEEN TITANS

□心配性な彼
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暇潰しにタイタンズタワーに来たけれど、ロビンが居なかった。スターファイアに聞いたら、出掛けたとか言われた。何処に行ったか聞いてもさぁ、としか帰って来ない。
ここの所良くロビンは外出するらしい。理由は仲間にも話していなくて。僕が問いただしても、直ぐに逸らされる。……まさか浮気?いや、ロビンに限ってそれはないか。外に行ってすれ違いになったら悲しいから、タワーで待つ事にした。
「スピーディってさ、ロビンの事本当に好きだよね」
ビーストボーイがそう言って来たので、僕は当たり前だと返した。
「あいつは可愛いからな。守ってやりたくなるんだ。ほら、ロビンって名前、意味は駒鳥だろ?」
それにふふふと笑ったのは、スターファイアだった。
「そうですわね。ロビンにはぴったりな名前ですわね」
スターファイアもロビンの事を可愛いと思ってんのかな。いや、まさかな。僕はソファーで足を投げ出して座っていると、隣にサイボーグが来た。
「一応、ロビンに無線入れとくか?」
「いや、良いよ。緊急な用でもないし」
「そうか?スピーディが来たとなれば、すっ飛んで来ると思うけどな」
ロビンと僕が付き合っていると言う事はみんな知っている。いつの間にか知られていたから驚きだ。
ロビンを待つ間、何しようかな。勝手にロビンの部屋に入ったら怒られるしな……。その時だった。通信機が鳴り、ロビンからだった。
『サイボーグ。異常は無いかい?』
「おう、何もねぇぜ。っと、ロビン。今スピーディが来てんだ。帰って来たらどうだ?」
『えっスピーディが?分かった。今行くよ』
……直ぐに来れると言う事は、買い物か何かをしてたのかな。
未だに浮気と疑う俺が居る。だってよ、あのロビンが一人で外出、しかも仲間にその理由を言わないって……。完璧疑うだろ。ってそれじゃ僕がロビンの事を信じてないみたいな言い方だな。信じてるさ。だからこそそれをちゃんとロビンに示さないとな。


ロビンが戻って来て。ロビンにどうした?と聞かれたから、会いに来たと言ったら赤面していた。全く。可愛いな。その様子を見ていたビーストボーイが呆れたため息を付いていた。
「相変わらずお熱いね」
「そうか?普通だろ」
「あー……、けどさ、ロビンの父親ってあのバットマンじゃん?許してくれたの?」

ビーストボーイのその発言で、暫しの沈黙。
僕はその事を、すっかり忘れていた。そうだ、あの人は……。僕が唸っていると、ロビンが僕の手を取っていた。
「大丈夫だよ。バットマンなら分かってくれるさ」
あの過保護がか?いや、無理だろう。知ってんだぜ?定期的にロビンに連絡を入れてるバットマンの事をさ。だったら尚更無理だろうな。まぁ、内緒にしておくさ。
「ねぇスピーディ。折角来たんだから一緒にピザ食べに行かない?」
「別に構わないけど……」
ピザデート、てのもな。あっいや全部をデートにする気は無いんだけどさ。ロビンが食べたいんなら、そうするさ。
「俺達に構わず、行って来い」
サイボーグはそう言ってくれたが、ビーストボーイは行きたそうな顔をしていた。悪いな。折角の二人きりを邪魔されたくないんだ。





ピザを美味しそうに食べるロビンをただ見つめる。可愛いからずっと見ていたいもんだ。
「何じっと見てんだよ」
「お前が可愛いからさ」
「っ……!馬鹿っ」
うん。今日もロビンが可愛い。平和だな。と感じる瞬間でもあった。他人に何言われようが、僕はロビンに夢中だ。……何でスターファイアは、スレイドとロビンが似てるって言ったんだろうな。何処も似てない筈なのにな。まだバットマンとロビンが似てると言った方が分かる。何たってバットマンの息子なんだしさ。……まぁそのせいで、色々とあるけど。僕がロビンをずっと見つめていた時だ。外で爆発音が聞こえた。はぁ、とため息を零した。
「全く……。ゆっくり出来る時間が無いね」
「仕方ないよ。街を守る事が、僕達の仕事だし」
まぁ、そうなんだけどさ。うーん。会計を急いで済ませて。爆発音がした場所へと向かった。


「スレイド……!」
よりによって何でアンタなのかな。ロビンが敵意剥き出しでいるじゃないか。ロビンは頭に血が上ると、突っ走ってしまうからな。何とかカバーしないと。
「ロォビン。君なら来てくれると信じていたよ」
気持ち悪い言い方でロビンを呼びやがって……。ロビンは何故かモテる。しかも同性からな。僕からしたら、嫌な気分だ。
「スピーディも居るのか。ふん」
どーせ僕は邪魔者だろうよ。ならとことん邪魔してやるよ。ロビンには下がっておくように言い、僕はとにかく攻撃に専念した。だがスレイドはそう一筋縄では行かない相手。だから結局ロビンに手助けを頼む結果になって。二人でスレイドを追い込んだ時。スレイドは煙幕を使って逃げやがった。
「くそっ……!」
「……逃げられたんなら、仕方ない。ロビン。一旦タイタンズ・タワーに引き上げようぜ?」
「うん……」
全く。いつからこんなにスレイドに対して熱くなったんだか。妬いちまうよ。
僕に対して、もっと熱くなってくれても良いんだけどさ。











END

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