TEEN TITANS

□拘り
1ページ/1ページ


僕が出会って来た敵の中で、スレイドだけは何故か早く捕まえなければ。と言う使命感が出ていた。それもそうだろう。彼は、今まで出会って来た敵の中で、一番恐ろしく、強敵だ。だから一刻も早く捕まえないと。

そんな僕は、道を踏み外した。スレイドの部下になってしまったんだ。仲間の為……。とは言っても、レッドXになったのも事実。僕は悪の道に進んだ。スレイドに拘るあまり、正義と言う道を踏み外していたんだ。そう、後悔は後になって襲って来る。仲間のお陰で僕は、何とかスレイドの下から立ち去る事は出来たけれど、僕が犯して来た罪が消えるわけじゃない。分かっているとも。それぐらい。

こんな時バットマンに会ったら、何て言われるかな。多分怒られるんだろうな……。そんな事を考えながら、部屋でスレイドに関する記事を読んでいた。あんだけ暴れられたら、TVや新聞とかも黙っちゃいないしね。何処もかしこもスレイドスレイド。これじゃ、嫌でも目に付いちゃうよ。
コンコン、とノックの音が響いた。
「ロビン?わたくしです、スターです。入っても宜しいですか?」
「ああ」
僕はスターの方を振り向かずに、記事を漁っていた。
「あの……。少しはお部屋から出ませんか?気分転換をした方が良いかと思われます」
「……うん。後でするよ」
「………そうですか」
ごめんスター。ゆっくりしたいけど、そんな時間は無いんだ。多分奴が死なない限り、僕はずっとスレイドの事しか考えられないと思う。スターが部屋から出て行った時、僕はため息をついた。そう言えば、事件がないからもう3日も部屋から出てないな。……たまには出ないと駄目だよな。みんなが居るリビングの方に行こう。


リビングではビーストボーイとサイボーグがTVゲームをしていた。
「オレッチが勝ったら、ピザ10枚奢れよ?」
「おう良いぜ!俺が勝ったらピザ20枚な!」
スターはまた変な料理を作っているようだ。鍋から紫色の煙が出ている。レイブンは静かに本を読んでいた。
「ロビン!来てくれましたのね!」
「あぁ……」
「……少し痩せたんじゃない?ちゃんと食べてるの?」
レイブンに指摘されてしまった。多分思った程食べてない。いや、食べられないんだ。食べる気がしなくてね。
「あっあぁ、食べてるよ」
今は、そう言うしかなかった。僕がため息を付くと、サイレンが鳴った。
「事件だ!」
ゲームをやっていたビーストボーイとサイボーグはゲームを消し、行くか!と言ってくれた。
「ロビン、敵をぶっ飛ばして来い!そうすれば、きっと気も紛れるぜ」
そうだね、サイ。……相手がスレイドじゃ無ければね。




けど僕の予想は、当たってしまった。やはりスレイドだった。
スレイドは町の外れの化学物質を取り扱う工場を襲っていた。
「スレイド……!」
「また会えて嬉しいよ、ロビン」
「僕はちっとも嬉しくない!今日こそお前を捕まえてやる!」
僕はスレイドに向かって一直線に走って行った。そして戦った。

スレイドとの戦いに夢中になって、仲間と逸れてしまった事に、僕は気付いていなかった。
「ロビン、仲間は何処に行ったのかな?」
「……っ」
また、やられてしまった。僕だけが誘き出されてしまった。
「だから君は駄目なんだ」
いつの間にかスレイドは僕の後ろに居て。耳元でそう言って来た。
「熱くなると周りが見えなくなる。それだからいつも仲間と逸れるんだ」
確かにその通りだった。僕が突っ走るせいで、いつもこうなる。まさかスレイドに言われるとは。
「……そんな事言われなくても、分かってる!」
僕はスレイドを殴ろうとしたが、避けられてしまった。
「ふふ、そうか。……また会おう、ロビン」
「待て!」
闇と同化するスレイドのお陰で、僕は彼を見失ってしまった。辺りをキョロキョロしていると、スター達が 僕の方に駆け寄って来た。
「ロビン!無事でした!?」
「あたぁ、僕なら大丈夫。それよりもまたスレイドを逃したよ……」
「それは仕方ねえ。けど被害は未然に防げた。良しとしようぜ」
サイボーグはそう言ってくれたけど、僕の目的はスレイドを捕まえる事。それだけなんだ。
いつか必ず、僕の手で捕まえて見せる。









END

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ