少女たち(夢)
□プロローグ
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ある肌寒い夜のことだった
ジョースター家の当主であるジョージ・ジョースターは近くの友人と食事をしていたところ
急に雨に降られてしまい、大急ぎで馬車に乗り館に帰っていた
自分の館に着くころには小降りの雨は大降りの雨へと変わっていた
「(急がなくては)」
馬車から降りると使用人が傘を持ってジョースター郷のところへ走ってくる
「ご主人様!さ、早く
風邪をひかれます!」
傘をさして、差し出してくる
一言お礼を言いつつその中に入る
靴を汚さないように慎重にかつ早足で玄関へ向かうがその途中、庭にある倉庫のわきから一瞬嫌な光が見えた
黒のような紫のような、あまり好ましくない色・・
そもそも、黒なんて光はないはずなのだが。
特に今は夜中だ、ありえない
「・・すまないが倉庫に取りに行くものがある、先に館の中へ入っていてくれ」
傘を使用人に手渡そうとしたが使用人は首を横に振って「私が取りに行きます」といった
本当は取りに行くものなどない、ただただあの光が気になったのだ
「わかった、一緒についてきてくれ」
ジョースター郷はもしかしたら盗人でも入り込んだのかもしれないと少し身体を強張らせて
その倉庫のわきを覗き込んだ
そこには、一人の少女がうつぶせに倒れこんでいた
服装は見たことが無いもので不審に思ったのだがそれどころではなかった
「きみ!大丈夫か!?」
土砂降りの中傘から身を乗り出して少女を抱える
使用人も事態を把握して館の中へ他の者も呼びに走って行った