シュガーでごめんあそばせ
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波に揺られること数十分。
前方に陸地が見えた。
「あったなー、本当に大陸が!」
船を港に着ければルフィが感心したように呟いた。
「なに言ってんの、当然でしょ。地図の通り進んだんだから」
ナミ姉さんがあきれた声色で言えばルフィは適当な相づちを打つ。
ちらりと海岸の少し上にある崖に目をやる。
……何か、いるんですけど。
子供が3人と同い年くらいの長い鼻の少年が、丸太の裏からこちらをジッと見つめていた。
「ふーーーっ久しぶりに地面に下りた」
「お前ずっとねてたもんな」
ゾロが体を伸ばしているのを横目に、あの四人をジッと見つめ返す。
「ところでさっきから気になってたんだが……
あいつら何だ」
ゾロが四人を指差せば子供三人があっという間に逃げてしまった。
「おいお前ら!!!逃げるな!!!」
『うわああああ見つかったァーーーーーっ!!!』
なんて素晴らしい逃げ足なんだろうと素直に感心した。
「…………」
ひとり残された少年が私たちをひきつった顔で見つめる。
「おれはこの村に君臨する大海賊団を率いるウソップ!!!人々はおれを称えさらに称え”わが船長“キャプテン・ウソップと呼ぶ!!!」
少年は私たちの目の前で胸を張ってそう言ってのけた。
「この村を攻めようと考えているならやめておけ!!
このおれの八千万の部下共が黙っちゃいないからだ!!」
いや、こんな小さな島に八千万は入りきらないだろうよお兄さん。
「うそでしょ」
「ゲッ!!ばれた!!」
「ほら、ばれたって言った」
「ばれたって言っちまったァーーーっ!!おのれ策士め!!!」
ウソップはナミ姉さんの尋問にあっさり嘘を自白した。わかりやすっ。
「はっはっはっはっはっは!
お前面白ェなーーっ!!」
ルフィは隣で腹抱えて笑ってた。
「おいてめェおれをコケにするな!!」
ぐわっ、と牙を剥いて怒鳴るウソップ。
「おれは誇り高き男なんだ!!!
その誇りの高さゆえ人がおれを“ホコリのウソップ”と呼ぶ程にな!!」
バカにされてんじゃねェか。