シュガーでごめんあそばせ
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そうか、このカタツムリちゃんフェアリーちゃんって名前なのか。
てか大の男が乙女ちっくな名前つけるって痛いな。これでガチムチだったら視覚の暴力で訴える前に消すぞ。
「なんでおれのフェアリーちゃんを持ってるんだ?」
「ねーその名前止めましょー、笑うー」
「笑ってすらないじゃん!」
失礼な、得意の能面で隠してるだけだぞ。笑っていいって言われたら腹捩れるくらい笑うぞ。
「笑っていいですかー」
「やめて泣く、おれが泣く」
「アッハッハッハッハ!!!」
「そんなにツボにはまったの!?」
腹を抱えて大爆笑すればジギーの声が落胆に沈む。
「えー、だって大の男がカタツムリにフェアリーなんて名前つけるとかーアハハハ!!」
「やべェこの子無表情のまま笑ってる。なにこの子怖い!!」
無表情なだけでここまで引かれるとさすがに私も傷つくぞ。
「と、とにかく!おれのフェアリーちゃんは返」
「ブフッ」
「やめて!台詞の途中で吹き出すのやめて!!」
「とりあえずーこの電電虫返して欲しいんでしょー?」
片手にフェアリーちゃん(笑)を乗せながら尋ねればジギーは上下に首を降る。
「じゃー勝負再開しましょうよー。今度は……ププッ……フェアリーちゃ……ククク……を賭、け……てー……クッ……!!」
「おォしやったろうじゃねェかァァア!!!」
ジギーにやる気がみなぎり、私は含み笑いを必死にこらえる。
「……何あの異様な空間」
「エアンとこ盛り上がってんなー」
「よし、あそこは無視しましょう」
ゾロvsカバジの戦いを傍観しながら呟く二人でした。