シュガーでごめんあそばせ

□5
1ページ/8ページ



ガキン!!


鳴り響いた甲高い音に目を見開く海兵たち。


それは、振りかざした剣を、ゾロが3本の刀で受け止めて発生した音だった。


両手で2本、口にくわえて3本目。

まさしくそれは、彼が言った通り三刀流であった。


「ロ……ロロノア・ゾロ……!!!」

「……………!!」

「おーーーっ!かっこいいっ!!」


その姿に、様々な反応が返ってきた。



「てめェらじっとしてろ。動くと斬るぜ」



本来の姿を取り戻した彼に鋭い眼光で睨まれ、海兵たちは石のように固まった。



『(怖すぎる………!!!)』



全員の心境が、満場一致した瞬間であった。



「海賊になってやるよ……約束だ!!
海軍―こいつら―と一戦やるからには、おれもはれて悪党ってわけだ……。だがいいか!!
おれには野望がある!!!」



背後には多くの剣を背負い、傷だらけになりながらも彼は言う。



「世界一の剣豪になる事だ!!!」



そう高らかに宣言した彼の脳裏には、幼い頃の約束が浮かぶ。



―おれ あいつのぶんも強くなるから!!!


天国までおれの名前が届くように
世界一強い大剣豪になるからさ!!!―



彼女は笑うだろうか。



あの日交わした約束を、こんな形で遂げようとしている自分を。



けれど一度交わした約束は、必ず果たす。



たとえ、世界を敵に回しても。



この名前を、天国まで轟かせてやろう――――



彼は強い意思を灯した眼差しでルフィを見つめる。



「誘ったのはてめェだ!!野望を断念するような事があったら
その時は腹切っておれに詫びろ!!!」



その約束に、彼は笑う。



「いいねぇ、世界一の剣豪!! 海賊王の仲間なら
それくらいなって貰わないとおれが困る!!! 」



そして海賊王を目指す彼もまた、その夢をきっぱりと言い放つ。



「ケッ……言うね」




閉じた瞼の裏で、彼女が笑っているような気がした。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ