シュガーでごめんあそばせ
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「あのお兄ちゃんは何も悪い事してないもの」
町に戻れば、ルフィ達とあの女の子が会話していた。
「捕まったのだって私を助けるために、モーガン大佐の息子が飼ってた狼を斬っちゃったからなの!
それまでは野放しで狼が町を歩き回って、みんなすごく困ってて………!!」
「じゃあゾロが捕まった理由ってのは……」
「ヘルメットの飼い狼を斬っただけの事なんですねー。やっぱりー」
「あ、エアさん!
やっぱりって………?」
「だってー、考えてもみてくださいよー。ゾロって賞金稼ぎなんでしょー?賞金首っていうのは世間的にみればー、極悪人ってことじゃーないですかー。なのにどうして自分が捕まってるんですー?
おかしくないですかー?」
女の子の頭を撫でながらそう言えば、コビーはハッ!と何かに気付いたような顔をする。
「そうか………!!それもそうですよね!彼の気性の恐ろしさはさておき、賞金首を狙う事が罪になるわけありませんからね」
「悪いのはモーガン親子よ!!
少しでも逆らえばすぐ死刑で、みんなびくびくしてるの」
腹立たしげに女の子が呟けば、通りの方から大声が聞こえた。
「ひぇっひぇっひぇっひぇ!!
頭が高ェっつってんだろ!
親父に言うぞ!!!」
『!』
そちらをみやれば、例のヘルメットが我が物顔で通りを歩いている。
住人は皆地面にひれ伏していた。
「ロロノア・ゾロみてェに磔になりてェか!?」
そしてソイツの一言に、私は目を見張ることとなる。
「三日後にはゾロの奴を公開処刑にする!!!」
「一ヶ月の約束はどうしたんだ!!」
私が出るよりも早く、ルフィがヘルメットの前に立ちふさがった。
「なにィ?誰だ貴様、どこで聞いた」
ズが高ェな、なんて言っているがルフィは聞く耳持たない。
「そんな約束ギャグに決まってんだろっ!!
それを本気にする奴もまた魔獣的にバカだけどな」
無性に腹立つ顔でヘルメットが笑ったとたん、ルフィは彼の胸ぐらをつかんで、その顔を殴っていた。
『!!!!』
あちこちで悲鳴やざわめきが聞こえる。
「ルフィさんっ!!やめて下さい!落ち着いて!!!」
「こいつクズだ」
ルフィの腕をつかんで止めるコビーは、必死に叫んでいた。
「海軍を敵に回す気ですか!!!」
「私たちは海賊をやるんですよー?今敵になったって同じことですー」
「た、確かにそうですけど……!!でも!!」
「決めたぞエア、コビー!!」
「え?」
「……おれはゾロを仲間に引き込む!!!」
彼の眼差しとその声に、私の予想は当たったと小さく笑った。