シュガーでごめんあそばせ

□4
1ページ/7ページ



「あのお兄ちゃんは何も悪い事してないもの」


町に戻れば、ルフィ達とあの女の子が会話していた。


「捕まったのだって私を助けるために、モーガン大佐の息子が飼ってた狼を斬っちゃったからなの!
それまでは野放しで狼が町を歩き回って、みんなすごく困ってて………!!」


「じゃあゾロが捕まった理由ってのは……」


「ヘルメットの飼い狼を斬っただけの事なんですねー。やっぱりー」


「あ、エアさん!
やっぱりって………?」


「だってー、考えてもみてくださいよー。ゾロって賞金稼ぎなんでしょー?賞金首っていうのは世間的にみればー、極悪人ってことじゃーないですかー。なのにどうして自分が捕まってるんですー?
おかしくないですかー?」


女の子の頭を撫でながらそう言えば、コビーはハッ!と何かに気付いたような顔をする。


「そうか………!!それもそうですよね!彼の気性の恐ろしさはさておき、賞金首を狙う事が罪になるわけありませんからね」


「悪いのはモーガン親子よ!!
少しでも逆らえばすぐ死刑で、みんなびくびくしてるの」


腹立たしげに女の子が呟けば、通りの方から大声が聞こえた。


「ひぇっひぇっひぇっひぇ!!
頭が高ェっつってんだろ!
親父に言うぞ!!!」


『!』


そちらをみやれば、例のヘルメットが我が物顔で通りを歩いている。

住人は皆地面にひれ伏していた。



「ロロノア・ゾロみてェに磔になりてェか!?」



そしてソイツの一言に、私は目を見張ることとなる。




「三日後にはゾロの奴を公開処刑にする!!!」


「一ヶ月の約束はどうしたんだ!!」


私が出るよりも早く、ルフィがヘルメットの前に立ちふさがった。


「なにィ?誰だ貴様、どこで聞いた」


ズが高ェな、なんて言っているがルフィは聞く耳持たない。


「そんな約束ギャグに決まってんだろっ!!
それを本気にする奴もまた魔獣的にバカだけどな」


無性に腹立つ顔でヘルメットが笑ったとたん、ルフィは彼の胸ぐらをつかんで、その顔を殴っていた。


『!!!!』


あちこちで悲鳴やざわめきが聞こえる。


「ルフィさんっ!!やめて下さい!落ち着いて!!!」

「こいつクズだ」


ルフィの腕をつかんで止めるコビーは、必死に叫んでいた。


「海軍を敵に回す気ですか!!!」


「私たちは海賊をやるんですよー?今敵になったって同じことですー」


「た、確かにそうですけど……!!でも!!」



「決めたぞエア、コビー!!」

「え?」

「……おれはゾロを仲間に引き込む!!!」



彼の眼差しとその声に、私の予想は当たったと小さく笑った。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ