□それは柔らかくて暖かなモノ。
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 ぱふん。



 そこは柔らかで暖かで良い匂いがする。
 最近、雲雀はソレがお気に入りだ。…が、

 もう少しあると良いかな…

 そう思った。だから、未だ発展途上なソコを手っ取り早く大きくする方法を、雲雀は実践することにする。

 ふに、と掴む。

「ふぎゃぁ!!」

 妙な奇声とともに、掴んだ手を引き剥がされた。
 雲雀は不満そうに顔を上げ、奇声を発した人物を仰ぎ見る。
 そこには茹でたタコみたいに真っ赤な顔をした綱吉が立っていた。
「何?」
 雲雀の不機嫌な声にビクつきながらも、綱吉は必死に抗議の声を上げる。
「な、何って…ひ、ヒバリさんこそ何を…」
 するのか…それでなくとも、雲雀が自分の胸に顔を埋めるという行為が、怖いやら恥ずかしいやらで綱吉はいっぱいいっぱいなのだ。この上、その胸を掴まれるなど…恥ずかしさでどうにかりそうだった。

「君の胸、小さいからもう少し大きい方がもっと気持ちいいかと思ってね」
 だから大きくしようかと思った。と事も無げに言う雲雀に、綱吉は今度は羞恥からではなく、怒りから顔を真っ赤にした。

「だ、だったら、初めから胸の大きな子にすればいいじゃないですか!」

 綱吉の怒りはもっともだ。二人は付き合っているわけではなく、数日前から始まった、雲雀のこの奇行に綱吉自身、とても戸惑っていた。
 それでも、コレが恥ずかしくはあるが、嫌ではないと最近気付き始めたというのに…

「俺なんかじゃなく…て…」

 涙目の綱吉に、座って彼女の腰に手を回したままの雲雀が怪訝そうな顔で言った。

「何言ってるの。好きでもない人間にこんなことして何が楽しいの?」

「え?」

 それはようするに、好きな人間に対してだけやるということであって…

「え?…え〜と…」

 言葉の意味をよく理解できない綱吉に、雲雀は軽く溜め息を吐く。
「まあいいや、それは今度にしてあげるよ」

 胸を大きくするのは今後の楽しみにとっておこうと、雲雀はニッと笑い、再び綱吉の胸に顔を埋めるのだった。
end





《あとがき》
雲雀さんがちょっと下品でセクハラな人になってます。ご、ごめんなさい!

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