ハガレン2

□愛する貴方に暫しの別れを告げた日
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「君も遅くまで、ご苦労だね」
「はい。でも、逃げ癖のない方が上官で以前と比べると随分楽ですよ」
「そ、そうか…」
「ええ」

ロイは冷や汗をかきながら、必死で話題を変えた。

「ところで、乗らないかね」
「結構です。今日は、もう働きたくないので」
「そんな意味ではない。実は花を買いすぎてしまってね、貰って欲しいんだ」


先ほどからの甘ったるい匂いは、車内一杯の花だった。
リザは、少し考えて答えた。

「要りません。他の方に差し上げて下さい」
「ヒューズの所にはもうやったよ。他にあげる人がいなくてね、困ってるんだ」
「司令部に、飾ったらどうですか?」
「野郎に見せるには、勿体無い」

リザは懸命に断るが、ロイは引き下がらなかった。
だから、リザは妥協案を提案した。

「‥では、一束だけ下さい」
「君は謙虚だな。まぁ、いい。花を貰ってくれたお礼に、家まで送るよ」
「結構です」
「いや、こんな夜中に女性を一人で歩かせるのは私のポリシーに反する」
「‥わかりました。家までお願いします」


リザが車に乗り込むと、ロイは発車させた。
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