Other
□夢と現実
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ああ、外の光りが眩しい。
足りない。
喉が渇く。
これは、また別の夢…?
柔らかいものが私の唇を塞ぎ、何かが私を侵す。
目を開ければ、夢と同じ男の姿があった。
知らない人なのに、どうしてウレシイのだろうか。
私は長い髪をものともせず、男に抱き付いた。
――カラダガ勝手に反応スル――
男は私を抱き寄せると、もう一度だけキスをした。
そこで私は思い出した。
私が求めて止まない、最愛の人ハジであることを。
私は頬を涙で濡らした。
キスのあと彼の名を呼んだ。
ハジは笑うと、またキスをした。
甘いあまいキスだった。
ハジと私以外誰もいなかったから、これぐらいはいいだろう。
なにせ30年振りの再会なのだから。
End.