ハガレン2

□帰り道
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日がやや傾きかけた頃、ロイは師匠に命じられた用事を終えて、師匠のもとへ戻る最中だった。
前には両手に買い物袋を抱え、一人黙々と歩くリザがいた。

「やぁ」
「こんにちは」

ロイは追いかけ、声を掛けるとリザは驚きつつも微笑みをみせてくれた。

「持つよ」
「いえ‥あっ」

ロイはリザから荷物を奪い取り、リザは手ぶら状態となった。

「すみません」
「いや、これぐらい大したことではないよ」
「ありがとうございます」


リザは笑みをみせ、少しでもロイの負担を減らそうと提案した。

「近道を使いませんか?」
「生物でもあるのか?」
「ないですけど、マスタングさんが大変ですから」
「それなら大丈夫だ、近道は使わないよ」
「はい」

ロイは少しでも長くリザと一緒にいたかった。
だから、あえて遠回りになる道を使って帰途に着いた。
リザはロイの心情を知ってか、知らずかわからないが何も聞かなかった。

「ありがとうございます」
「いや、これぐらい容易いことだよ」
「あのお礼に、よろしければ晩御飯を食べて行かれませんか?」
「いいのか?」
「はい」
「それじゃあ、ご馳走になるよ」
「はい、出来たら呼びますね」
「ああ、楽しみにしてるよ」

ロイは微笑み、師匠の元へと向かった。
そんなロイを尻目に、リザは晩御飯の献立を考えながら、買ってきた物をしまい始めた。



end.

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