ハガレン2

□clothes
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今日は久しぶりの休暇だった。
生憎、あの人は勤務だが。
久しぶりの本格的な休暇に、私は買い出しに行った。
当分の食料と日用品を買い終わると、急に暇になった。
普段こんな時はハヤテ号と散歩でもするのだが、ハヤテ号は予防注射を兼ねた健康診断の為に病院へ預けておりいない。

「どうしようかしら‥?」

リザの呟きに騒音にかき消された。
そんな時、目に入ったのは綺麗な服を着飾ったマネキンがあるショーウィンドウだった。
考えてみれば、季節は秋へと移り変わる頃だ。半袖をしまい、長袖が必要である。

「必要かしら」

変装用に買う必要はあるだろう。しかし、もう少し先でもいいだろう。
仕事着は軍で購入すれば良い。だとしたら、私服か。
私服は季節毎に購入しないと、ロイが煩い。
無視するとロイ好みの露出度の高い服をあてがわれる。仕方ないとリザは服を購入する事を決めた。
買い出した物は預かり所へ預けた。
服を買おうと、店を回るが良い服が無い。
ロイ好みの服は沢山あるのだが。
けれど、その中でリザも気にいる物があった。

「あの人の色‥ね」

リザの目の前には、真紅の生地に黒のレースが彩どられたイブニングドレスがあった。
リザはドレスなんて仕事にしか着ないからと諦めた。
今日は私服を買いに来たのだからと、足を別の店へ運ばせた。
結局、購入したのはリザがいつも買う店でだった。
派手ではないが、地味でもないそんな服だけを取り扱う。
リザは諦めたあのドレスが気になったが、必要ないからと戒めて帰路に着いた。
日は暮れ、太陽は一面オレンジ色に染めていた。

「早くしないとあの人が来るわね」

途中受け取った買い出し品を抱え、大荷物のリザが家に着いたのはロイの勤務終了の時間間近だった。
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