ハガレン2
□光に向かって
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眩しい光りが部屋を包み込んでいた。
「これで、大丈夫よね‥?」
等身大が映る鏡を見ながらリザは呟いた。
手は顔近くまである黒いタートルネックに触れた。
「大丈夫‥」
リザは再度、鏡で確認すると出勤することにした。
「ハヤテ号、行ってくるわね」
「クーン‥」
寂しそうに鳴くハヤテ号を置いて、リザはアパートを出た。
アパートから司令部までは徒歩20分だ。
その間、リザは誰にも会わなかった。
「おはようございます、大総統閣下」
「おはよう、昨晩は遅くにすまなかったね」
「いえ」
赤い絨毯が引かれた部屋の中央にある黒い椅子には大総統が座っていた。
「では、本日の予定ですが‥‥」
リザは通常通りに仕事をこなした。
何かを仕掛けられることなく、また言われることもなかった。
軍服の袖からは黒い長袖がはみ出ていた。