ハガレン2
□少女が歩み始めた時
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昼下がりのある日、三人の親子が弁当を片手に原っぱに来ていた。
親子は雑談しながら、なごやかに時を過ごした。
すると、突然母親は微笑みながら聞いた。
「リザは大きくなったら何になりたい?」
「お父さんのお嫁さん!」
女の子は元気良く答えた。
父親は嬉しそうに笑い、わざとらしく困ったような顔をした。
「お父さんにはお母さんがいるからなぁ」
「?」
意味がわからないという顔をする女の子に、父親は少し困ったように更に付け加えた。
「リザが大きくなったらな」
「本当?」
「ああ、リザが大きくなるのを楽しみにしてるよ」
「約束だよ!」
女の子は父親とゆびきりをすると、持っていたサンドウィッチを食べ始めた。
父親も同じくサンドウィッチに噛り付き「うまい」と絶賛している。
そんな娘と旦那を母親は微笑みながら、見つめていた。