ハガレン2
□君に誓う
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真っ白な部屋に、彼女はいた。
私が近づいても、彼女は気付かない。
ぼんやりと窓の景色を眺めていた。
「……やぁ、リザ」
彼女は振り向かない。
ただ窓を眺めるだけだ。
「隣を失礼するよ」
彼女の隣に、腰を下ろした。
「元気にしてたか?私は元気に、と言いたいが、やはり年には勝てないな。最近、疲れやすくなったよ。以前は何ともなかったことさえも、辛いよ」
「あっ……」
突然、彼女は叫んだ。
彼女はおもむろに手を伸ばし、何かを掴もうとしていた。
けれど、その手が何かを掴むことはなかった。
「君は、何を見てるんだろうな‥少なくとも、私ではないのだろう?」
「‥たいさ……?」
その言葉に私は、息をのんだ。
まさかと思い声を掛けた。、
「リザ‥」
「……………」
反応はなかった。
彼女は床に寝転んだ。
そして、そのまま寝た。
「やはり無理か‥」
ロイは自嘲気味に笑った。
「また、来るよ」
リザを一人残して、ロイは部屋を出た。